小型でも冷凍室たっぷり ツインバード冷蔵庫の魅力

――引き出しのそれぞれの段は、冷凍食品がちょうど収まるようなサイズになっていますね。冷凍食品の規格に合わせたのですか。

岡田 開発にあたって日本冷凍食品協会や冷凍食品を発売している企業を訪ねたのですが、冷凍食品のパッケージには規格がないそうなんです。そこでスーパーに通って、ありとあらゆる冷凍食材を買い集めました。冷凍食品はもちろん、ピザや冷凍うどん、その他にもいろんなサイズのものを想定しながら、棚のサイズを決めたんです。

――天面も広くて、大きいオーブンレンジも置くことができますね。

岡田 冷凍食品を多く使っていただきたい商品なので、電子レンジを使う機会は当然多いですから、電子レンジとの親和性は非常に意識して作りました。このクラスの冷蔵庫は480ミリ幅が一般的なんですが、ハーフ&ハーフは少しワイドで525ミリ。少し幅広で背が低い、ワイド&ローのデザインフォルムになっています。これらは女性の平均身長158センチの方でも使いやすい高さを、と考えた結果です。

――女性ユーザーを意識したからか、デザインもシンプルできれいだと感じました。ユニークなのは目立つところに「ツインバード」のロゴがないこと。新たな分野への新規参入ということで、社名をアピールしようという気持ちはなかったのですか。

岡田 当社のブランド名を製品につけて、お客様にお届けしたい思いは当然ありました。ただ、その一方で冷蔵庫はほぼ動かさない、家具に近い家電ですから、余計なものはできるだけ省きたいという思いもありました。その結果、現在、当社で販売している冷蔵庫は、基本的にロゴを入れない方向でまとめています。

天面は広々。これなら大きいオーブンレンジも置けそう。耐熱温度は100度
目立つところに「ツインバード」のロゴがないシンプルなデザイン

――今後も、このような独自路線を続けるのでしょうか。

岡田 当然ながら今後ますます省エネ基準も厳しくなっていきますので、このサイズ感を生かしたまま、中身はどんどん進化をさせていく必要があると思います。当社は宇宙ステーションで稼働している極低温冷凍庫にも用いられている独自の冷却技術を持っています。今後はこういった技術も取り入れ、独自性のある冷蔵庫にしていきたいと考えています。

冷蔵室も使いやすい

冷凍室に目が行きがちなハーフ&ハーフだが、冷蔵室もよくできている。岡田さんによると、冷蔵室の開発も、冷凍室のときと同じように、よく入れるであろう350ミリリットルや500ミリリットルの缶、納豆パック、ヨーグルトなど、だいたいのサイズが決まっているものを想定しながら棚のサイズ割りやドアポケットのサイズなどを設定していったという。

冷凍室と比較すると、冷蔵室は小さく見えるが、ガラスの棚は外して高さを変えることもできる。外してお手入れするのもカンタンだ。

収納する食材に合わせて、ガラスの棚の位置を変えられる

食材を買ってきて入れてみた。肉やハム、たまごなどのほかに豆腐やヨーグルト、サラダ用の野菜など、一人暮らしなら数日は買い物に行かなくても足りる分量だ。ビールなどの缶もぴったり入る高さで無駄がない。

高さが規格品にぴったりのサイズで、無駄なく詰めることができる
扉部分の収納を含まずに、冷蔵室にこれだけが収まった

冷蔵室の引き出しには肉のパックを2段重ねて入れることができた。まだゆとりがある
扉部分の収納には2リットルのペットボトルや牛乳なども入れることができた

ユニークだけど実用的

試用していて少し気になったのは音の問題。「ジー」という音、加えてたまに「カチッ」という音がして、その音が大きく感じた。単身者用の冷蔵庫はファミリー世帯のハイエンド冷蔵庫と比較すると音が大きくなりがちだが、もう少し抑えられるとワンルームで使う人にとっても快適性が増すだろう。

とはいえ、これだけ入れられる収納量は魅力的だ。デッドスペースが少ないので、他社の同容量クラスの冷蔵庫と比較しても実際に入れられる量が多い。サイズがコンパクトなので単身者限定と見えるかもしれないが、このサイズなら十分使えるという2人暮らし家庭も少なくないと思う。

節約するために作り置きしたり、冷凍食品をストックしたり、食材を上手に活用できる「ハーフ&ハーフ」は、多くの単身者や2人暮らしの家庭にとって最適な冷蔵庫ではないか。ユニークだが、決して奇をてらっているわけではなく、実用的で使いやすい。個人的にも「自分の子どもが独立する際は、この冷蔵庫を買ってあげよう」と決心するほど気に入った製品だ。

石井和美
家電プロレビュワー。白物家電や日用品などを中心に製品レビューを行う。レビュー歴15年以上。茨城県守谷市に家電をレビューするための一戸建てタイプ「家電ラボ」を開設。冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。
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