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教養

先生は新規事業のプロ 答えがないことを徹底して体験 広がるプロジェクト型授業(1)

2019/8/14

ビジョンは抽象的なものでも、書いていくうちに具体的な行動計画につながっていく。昨年この授業を経験した学生のなかには、「多様性を認めあえる社会」をビジョンに掲げ、移民の多いオーストラリアに留学先を決めた学生もいる。授業をきっかけに留学の目的も定まり、留学前に日本で外国籍の子供についてのアンケートをとって、その結果を基に留学先で教育機関を視察した。

■新規事業の担い手から教育者にたどり着いた熱血先生

「世の中を良くしたいという学生は多いのですが、行動しないとただの“評論家”になってしまう。世界平和のような大きなビジョンも、自分で描いて行動していくことで実現に近づいていく。小さくてもいいから何かアクションを起こしてほしい。究極を言えば、その行動は『味噌汁を作る』みたいな小さなことでいい。細かくプロセスを刻んでいける人を増やしたい」 。18年度から上智大学で講師となった戸田氏は授業の狙いをこう語る。

「小さくてもいいから何か行動に移してほしい」と語る戸田氏

実は戸田氏自身も、学生時代は迷いの中にいた経験がある。服飾の道に進みたかったが両親を説得しきれず、ビジョンのないまま大学に進学したことが、このような授業を展開する原体験にある。「今になって思うと、親が悪かったわけではなく、親を納得させられる行動ができなかった自分自身が悪かったのだとわかる。服飾の道に進んでもやれそうだと思わせるようなことを、何もしていなかった」(戸田氏)

戸田氏は大手メーカーで新規事業を手掛け、現職でも様々な企業・団体のプロジェクトを動かしている。地域活性化を手がけた経験からも、ビジョンを描き、発信し、行動していくと、それに共感する人や協力者が現れたり、自分自身に足りない知識や経験が見えてきたりして、実現に一歩近づくと実感しており、それを学生たちにも体験してほしいと考えている。

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