音楽フェス「サマソニ」20周年 視線の先はアジア

日経エンタテインメント!

世界に先駆け非ロック系を

18年度の国内音楽フェスの市場規模は、過去最多の294億円を突破(ぴあ総研調べ)、音楽業界においてフェスが示す存在感は大きい。ただ常に右肩上がりだったわけではなく、06年頃から数年にかけて音楽フェスの動員数は横ばいの時期が続いた。そんななか、サマソニはファン層を広げるため、様々な変革に取り組んできた。その1つが、ヘッドライナーに非ロック系のアーティストを起用したこと。さらに13年からは、「プラチナチケット」を導入した。

「07年にヘッドライナーに起用したブラック・アイド・ピーズは1つの挑戦でしたね。ロックフェスとして始まったのに、ヒップホップのアーティストを抜てきしたので。しかしそれがその後の、ビヨンセ(09年)やジェイ・Z(10年)、リアーナ(12年)といった、非ロックアーティストのヘッドライナーの流れにつながっていきました。

今では、アメリカの世界的人気フェス「コーチェラ・フェスティバル」でも、ビヨンセやレディー・ガガなどが出演しています。非ロック系のアーティストの台頭が、今の世界のフェスのトレンド。サマソニがいち早くその流れを作れたと考えると感慨深いですね。

サマソニも20年が経つので、スタート時に20歳だった人は40歳、30歳の人は50歳。10代と同じように動けないかもしれないけれど、彼らだって「フェスを楽しみたい」という思いはある。そこで多少値段は上がるけど、快適にフェスを楽しめるように「プラチナチケット」を日本で初めて導入したんです。プラチナチケット専用の観覧エリア、休憩ラウンジ、トイレ、グッズ購入レーンなどを新たに設けました。

また、これまで海外に向けてやったことはあったんですが、一部無料の生配信を国内でもする予定。それを見た世界の人たちが、次は会場に来たくなるようになればと考えています」

フェス市場は12年頃から再び、上昇傾向にある。さらにこの勢いを支えるのが、EDM系の曲が流れる「ULTRA JAPAN」といった、ジャンルに特化したフェスの台頭だ。クリエイティブマンは早くから、メタルフェス「ラウドパーク」や、ダンスミュージックフェス「エレクトロックス」など、ジャンルフェスも率先して生み出してきた。しかし、音楽フェスが増加するなかで、似たラインアップのフェスが同じ週に開催されることもあるなど、国内のフェス市場はすでに飽和状態だという声もある。

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