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音楽フェス「サマソニ」20周年 視線の先はアジア

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2000年にスタートした音楽フェス「サマーソニック」(以下、サマソニ)が20周年を迎える。これを記念し、例年2日開催のところを、今年は8月16日~18日の3日間にわたり開催する。サマソニの歩みと目指す先を、運営するクリエイティブマンプロダクション代表取締役社長の清水直樹氏に聞いた。

サマソニは国内外のトップアーティストも含め、毎年約100組ほど出演。ヘッドライナーにはこれまで、コールドプレイやレディオヘッド、グリーン・デイといった海外のビッグネームが名を連ねてきた。また、ほぼ同時期にスタートした「フジロックフェスティバル」(以下、フジロック)、「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」が地方で開催されているのに対し、サマソニは千葉・幕張と大阪で開催。都市型フェスのパイオニア的存在でもある。

運営するのは、プロモーターのクリエイティブマンプロダクション。代表取締役社長の清水氏は、日本の音楽フェスカルチャーを黎明期から支えてきた1人だ。

「日本で『サマソニ』の前にあった音楽フェスの筆頭といえば、1997年に始まった『フジロック』。ただ、新潟の苗場スキー場という立地から、キャンプをしたり、宿泊する必要がある。それもいいんですが、もっと気軽に日帰りでも楽しめて、10代でも参加しやすいフェスを作りたいと思い、『都市型』をコンセプトにしました。そして、東京でやるのなら大阪でもやろうと、2カ所で開催する『入替型』にもしました。

今年20周年を迎える上で、その先を考えた時に、新しいことに挑戦したかった。その1つが初の日本人のヘッドライナーです。誰がふさわしいかと考えた時に、B'zしか浮かばなかった。単独でもスタジアムを埋める彼らが、ヘッドライナーを務めた時の反応を見てみたかったんです。

また、今年のもう1つの挑戦は、日毎にジャンルを分けたラインアップにしたこと。これまでのサマソニもそうですが、一般的なフェスは様々なジャンルを織り交ぜることで、多くの人に来てもらいたい。ただ今回は3日開催ということで、この先につながる取り組みとして思い切りました」

開催日毎にテーマを設定

「東京会場でいうと、1日目はサマソニらしく、オールジャンル系。ヘッドライナーのB'zを筆頭に、FALL OUT BOY、THE 1975といったUS、UKのロック勢、リタ・オラといった新世代ポップの歌姫などが並びます。2日目はとにかくロックですね。トリのレッド・ホット・チリ・ペッパーズに、日本勢からはRADWIMPS、MAN WITH A MISSIONなどが出演します。3日目は、世界的なトレンドでもある人気DJやエレクトロ系。大トリのザ・チェインスモーカーズに、ゼッド、アラン・ウォーカーというヘッドライナー級のメンバーを一同にそろえ、さらに韓国からはBLACKPINK、国内組ではPerfumeらが出演します。

その結果、なぜか3日通し券から売り切れたんです。日毎にジャンルを変えても、強力なヘッドライナー、お客さんを呼べるアーティストを数多くそろえれば、複数日来たいと思うお客さんは多いんだと、改めて痛感しました。

実は、これは昨年の反省もあって…。海外の人気若手アーティストや、邦楽の新鋭を入れた刺激的なラインアップとしたところ、チケットは完売には至らなかったんです。今後は、1日は10代20代、2日目は30代40代を意識したラインアップに挑戦しても面白いかなと思っています」

世界に先駆け非ロック系を

18年度の国内音楽フェスの市場規模は、過去最多の294億円を突破(ぴあ総研調べ)、音楽業界においてフェスが示す存在感は大きい。ただ常に右肩上がりだったわけではなく、06年頃から数年にかけて音楽フェスの動員数は横ばいの時期が続いた。そんななか、サマソニはファン層を広げるため、様々な変革に取り組んできた。その1つが、ヘッドライナーに非ロック系のアーティストを起用したこと。さらに13年からは、「プラチナチケット」を導入した。

「07年にヘッドライナーに起用したブラック・アイド・ピーズは1つの挑戦でしたね。ロックフェスとして始まったのに、ヒップホップのアーティストを抜てきしたので。しかしそれがその後の、ビヨンセ(09年)やジェイ・Z(10年)、リアーナ(12年)といった、非ロックアーティストのヘッドライナーの流れにつながっていきました。

今では、アメリカの世界的人気フェス「コーチェラ・フェスティバル」でも、ビヨンセやレディー・ガガなどが出演しています。非ロック系のアーティストの台頭が、今の世界のフェスのトレンド。サマソニがいち早くその流れを作れたと考えると感慨深いですね。

サマソニも20年が経つので、スタート時に20歳だった人は40歳、30歳の人は50歳。10代と同じように動けないかもしれないけれど、彼らだって「フェスを楽しみたい」という思いはある。そこで多少値段は上がるけど、快適にフェスを楽しめるように「プラチナチケット」を日本で初めて導入したんです。プラチナチケット専用の観覧エリア、休憩ラウンジ、トイレ、グッズ購入レーンなどを新たに設けました。

また、これまで海外に向けてやったことはあったんですが、一部無料の生配信を国内でもする予定。それを見た世界の人たちが、次は会場に来たくなるようになればと考えています」

フェス市場は12年頃から再び、上昇傾向にある。さらにこの勢いを支えるのが、EDM系の曲が流れる「ULTRA JAPAN」といった、ジャンルに特化したフェスの台頭だ。クリエイティブマンは早くから、メタルフェス「ラウドパーク」や、ダンスミュージックフェス「エレクトロックス」など、ジャンルフェスも率先して生み出してきた。しかし、音楽フェスが増加するなかで、似たラインアップのフェスが同じ週に開催されることもあるなど、国内のフェス市場はすでに飽和状態だという声もある。

「現在の日本のフェス市場全体を見ると、僕らがやってきた『都市型』や『ジャンル型』も当たり前になっており、動員が厳しいところも多いと思います。特に、日本人アーティストのみのフェスだと、他と同じラインアップになってしまうジレンマとの戦いなのかなと。そこでどこで違いを生み出すかとなると、『環境』になってくる。その結果、各地でキャンプフェスや、エコなどを提案するライフスタイルフェスが増えているんだと思います。しかし、今後はそれさえも差別化できなくなる恐れはあります。もちろんフェスには様々な意味合いがあるので、一概にはくくれませんが。

僕たちの場合は、洋楽アーティストをブッキングするという、決して簡単ではないことを20年間続けてきました。なので、他のフェスと比べて、ラインアップで圧倒的に違うものを作れる自負がある。それに今年出演する、レッド・ホット・チリ・ペッパーズがいい例ですが、『彼らと共演できるのなら、サマソニには出演する』と言ってくれる日本のミュージシャンも多数います。つまり、国内アーティストでも差をつけることができるんです。

それにプラチナチケットのような新サービスも、僕らのような洋楽系プロモーターのほうが、世界のトレンドとしていち早く取り入れることができますしね。

最近のフェスで面白いと思うのは、IT会社のGMOが主催するダンスミュージックフェスの『EDC Japan』。運営制作などに携わっているんですが、あれは僕らのようなプロモーターだけではできない規模の予算をかけて、豪華なステージなどを作っている。今後も企業が主催者となり、こういうものをやりたい、見せたいとなれば、これまでにないフェスが生まれてくるかもしれませんね」

アジアの各国で開催したい

来年は、オリンピックに伴う会場の関係で休止となるサマソニ。十分な準備期間を取って臨める再来年以降は、どんなプランを描いているのだろうか。

「まずはサマソニを、この先もずっと続けていくことが一番だと思っています。その次の目標は、サマソニをアジアに広げていくことですね。アジアで、ワールドクラスのアーティストをこんなに呼んでいるフェスって、サマソニかフジロックしかないので。

17年に一度、上海でサマソニを開催したんですが、出演者のビザはもちろんのこと、演奏曲にも検閲が入るなど、国の許可を取ることが本当に至難の業で…。

今後は、各国の事情や音楽的趣向などを参考にしながら作っていく必要があると思っています。例えば、台湾なら日本のアーティストの受け入れが非常にオープンだから、日本人中心のラインアップでもいける。シンガポールは洋楽ファンが多いから洋楽を中心に、タイは地元のアーティストが強いから、そこにどう洋楽を組み合わせていこうかといった具合に。

そして同時に、日本のアーティストをアジアに出していく突破口に、サマソニがなれればなと思います。K-POPが世界を席巻しているように、日本のアーティストもどんどん世界で注目される存在になっていってもらいたいんです。また逆のプランもあって、アジアのアーティストを日本にもっと紹介したい。サマソニには『アジアンコーリング』という、アジアの若手アーティストが出演する枠があります。彼らで、国内を回るツアーができれば、サマソニに新たなシナジーを生むことができるのかなと思っています」

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2019年8月号の記事を再構成]

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