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ノートe-POWER NISMO モーターの鋭い加速に興奮

2019/8/25

「日産ノートe-POWER NISMO S」を試乗、出力アップの電動パワーユニットなどがもたらす走りを確かめた(写真:花村英典、以下同)


「日産ノートe-POWER NISMO」のハイパフォーマンスバージョンとして登場した「NISMO S」。ベースモデルの109psに対し、136psに出力を向上させた電動パワーユニットと専用開発されたドライビングモードがもたらす走りを確かめるために、富士山麓のワインディングロードを目指した。

■パワーとトルクを大幅に増量

日産ノートe-Power NISMO Sで走りだしてすぐに、ビシッと引き締まった乗り心地に身が引き締まった。すっかり油断していた。日産ノートといえば、2018年のベストセラー。1年で13万6324台を売り、軽自動車を除く、いわゆる登録車の年間販売台数ナンバーワンに輝いたモデルだ。

2位の「トヨタ・アクア」には約1万台の差をつけており、国民車というのは大げさにしても、いまの日本人がクルマに求める要素の最大公約数的なモデルだと言っても間違いじゃないだろう。

ちなみに日産にとって登録車の年間販売台数1位は初めてで、「マーチ」でも「サニー」でも「パルサー」でも成し得なかった偉業をノートが達成したということになる。その日産ノートが、ここまでスパルタンな味付けになっているとは……。正直、毎日食べる白いご飯に激辛スパイスを振りかけたような、ちょっとした違和感を覚える。

それにしても日産ノートe-Power NISMO Sとは、たくさんの“役”がついたモデル名だ。ノートのe-Power搭載モデルで、NISMO仕様、しかもNISMO仕様の中でもよりスポーティーなSグレードと、声に出して読んでみると、「メン・タン・ピン・ドラ・ドラ」で満貫のようだ。その成り立ちは、以下のようになる。

「ノートe-POWER NISMO」の最高出力109psに対して、同136psにパワーアップした「ノートe-POWER NISMO S」。ガソリンエンジン搭載モデルと同様に、車名末尾の「S」がハイパワーバージョンを示している
「e-POWER NISMO S」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4165×1695×1535mm、ホイールベース=2600mm。この数値は109ps仕様の「e-POWER NISMO」と同一となっている

まず日産ノートの売り上げ躍進の原動力となったのが、エンジンで発電して駆動は100%モーターで行う、e-Powerという仕組みだ。これは、システムとしてはシリーズ式のハイブリッドであるけれど、モーターだけで走る感覚はEVに近いというもの。34.0km/リッター(e-Power Sは37.2km/リッター)という優れたJC08モード燃費と、モーターによる新鮮な走行フィーリングが受けて日産ノートの販売を押し上げたのだ。

そしてボディーと足まわりを強化した日産ノートe-Power NISMOが生まれ、その上にモーターの出力を高め、シャシーにもさらなるチューニングを施した日産ノートe-Power NISMO Sが君臨する形になっている。標準の日産ノートe-Powerとノートe-Power NISMOの最高出力が109ps、最大トルクが254Nm。一方のノートe-Power NISMO Sが136psと320Nmだから、パワーとトルクは約25%の増量ということになる。

特に市街地ではトルクが厚くなったことの恩恵は明らかで、ノートの軽量コンパクトなボディーもあって、ストップ&ゴーの連続でもスーッと前に出るからストレスは感じない。

■内燃機関とは違うファン・トゥ・ドライブ

スパルタンな乗り心地はひとまずおくとして、市街地を流しているとe-Powerが支持されてノートを日本一へ導いた理由がわかる。第一に、静かだ。エンジンは発電に徹しているから、アクセルペダルを踏み込んでも急に回転を上げることはない。充電が不足するとエンジンが始動するけれど、基本的には最も効率のいい回転域で一定の回転数を保つから、「エンジン積んでるんだっけ?」と、その存在感は次第に薄れていく。

それから、楽しい。回転を上げることでパワーを高める内燃機関と違って、電気が流れた瞬間に最大の力を発揮できるモーターは、アクセル操作に対するレスポンスが鋭い。エンジンとモーターは、手紙とEメールのように違う。もちろん、手紙のほうが味はあるというご意見もありましょうが、もしディーラーでエンジンとe-Powerのノートを乗り比べたら、多くの方の心はe-Powerに傾くはずだ。

e-Powerは運転の疲労低減に効果があることもあらためて感じた。アクセルペダルを戻せばブレーキペダルを踏まずともしっかり減速するから、ペダルを踏みかえずにドライブすることができる。いわゆるワンペダル走行だ。ノートe-Power NISMO Sには「NORMAL」「S」「ECO」の3つの走行モードがあり、すべてのモードで減速感を強める「B」レンジを選ぶことができる(ノートe-Power NISIMOでは「NORMAL」でしか「B」レンジを選べない)

ボディーサイドに「e-POWER」のエンブレムを装着。赤く塗られたサイドシルプロテクターは「ノート」の「NISMO」シリーズに共通するアイテムで、前後のバンパーデザインとの統一性を図ったデザインになっている
発電用の1.2リッター直3 DOHC 12バルブエンジン。エンジン自体もベースとなった「e-POWER NISMO」より4psパワーアップされ、最高出力は83psとなる

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