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卵かけご飯、賞味期限内でも早めに 夏の細菌性食中毒

Dr.今村の「感染症ココがポイント!」

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

気になる感染症について、がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長の今村顕史さんに聞く本連載。夏本番を迎えた今は、細菌性の食中毒が増える時期だ。この連載では以前にも、細菌性の食中毒の原因菌として最も多い「カンピロバクター」を取り上げたが(「食中毒、実は多い鶏肉由来 焼き鳥も要注意」参照)、今回は2019年7月に香川県の病院での集団感染が話題となった「サルモネラ菌」を中心に解説していただいた。

【ココがポイント!】
●集団食中毒では、原因菌が分かっても、感染源や感染経路の特定が難しくなることもある
●卵かけごはんなど、生卵は賞味期限内でも早めに食べるようにする
●カメなどの爬虫(はちゅう)類の多くは、サルモネラ菌を保菌している。触れたら必ず手を洗う
●免疫力が低下している人は、菌が血液に侵入する「菌血(きんけつ)症」となり重症化するリスクがある 
●野外イベントやレジャーでの集団食中毒に注意

――今年7月、香川県内の病院で、サルモネラ菌の集団感染が発生したとの発表がありました。報道によれば、5月下旬以降、入院患者30人以上に感染者が出ており、いまだに(※2019年8月6日現在)感染源や感染経路は分かっていないようですね。

集団食中毒では、原因菌が特定されても、その時点で二次感染[注1]、三次感染となっている場合があり、感染源や感染経路を明らかにするのは難しいこともあります。

例えば、1996年7月に、大阪府堺市で約9500人が発症した腸管出血性大腸菌O157による大規模な集団食中毒では、当初はカイワレ大根が感染源と見られたものの、のちに違っていたことが分かりました。この事例のように、大規模感染では、最初に感染源とされたものが、実はそうではなかったということがままあります。

また、現在は同じ食材や食品が広い地域に輸送されるため、広域の食中毒になりやすくなっています。

――香川県の事例では感染源が分かっていないとのことですが、サルモネラ菌は一般的には、どのような食材や食品から感染しやすいのでしょうか。

サルモネラ菌は、ニワトリ、ウシ、ブタなどの動物の腸、川の水や下水などに生息しています。そのため、食材や食品としては、食肉や鶏卵などが感染源となり得ます。

サルモネラ菌による食中毒は、近年は減少傾向にありますが、1990年代には鶏卵を原因としたサルモネラ菌による食中毒が多く見られ、問題となっていました。現在はスーパーなどで卵を購入すると、パックや卵の一つひとつに賞味期限が表示されていますが、これはサルモネラ菌による食中毒対策として、1999年から始まったものです。

サルモネラ菌による食中毒の原因は、ニワトリの腸の中にいるサルモネラ菌が、産卵の際に卵の殻に付着するだけではありません。まれに、卵の殻が形成される前に、親鳥の卵巣や卵管から卵の中身に菌が入ってしまうこともあります。そのため、卵の外側だけでなく、殻の中にも菌が入っている可能性があることを前提に、少しでも菌の数が増えないうちに食べるように、賞味期限を表示するようになったのです。

――卵の中にも菌がいる可能性があるということは、生卵はなるべく避けたほうがいいのでしょうか。

[注1]集団感染で、ある感染症に最初に感染した人から感染すること

サルモネラ菌による食中毒は、菌の数がある程度増えなければ発症しません。とはいえ、サルモネラ菌は気温が高くなることで増えやすくなりますから、暑い今の時期は特に、生卵は賞味期限を守って食べてください。私もごはんに生卵を割って、しょうゆをかけて食べる卵かけごはんが好きですが、卵かけごはんなど生で卵を食べる場合は、賞味期限のうちでもなるべく早く食べるようにしています。ただし、殻にひびが入っていたときは、生では食べないようにしてください。

【卵によるサルモネラ食中毒の予防策】
・賞味期限を守って、早めに食べる
・時間が経過したら、必ず加熱する
・殻にひびの入った卵は生では食べない
・生卵は、食べる直前に殻を割る

カメなどの爬虫類も感染源に

――食材や食品以外に、サルモネラ菌の感染リスクとなるものはありますか。

厚生労働省によると、毎年30万頭程度の爬虫類が輸入され、ペットショップなどでも多く販売されています。このカメをはじめとする爬虫類も、サルモネラ菌の感染源となることがあります。カメなどの爬虫類の糞(ふん)便中のサルモネラ菌を調べたところ、50~90%の保菌率だったという調査報告もあります。

カメやそのほかの爬虫類をペットとして飼っている人もいるでしょう。直接触ったあとには、必ず手を洗うようにしてください。小さな子どもは、ペットと遊んでいる最中に、触れた手を口に持っていくことがあるので、特に注意が必要です。

また、飼育水の交換の際などは、食品や食器を洗う流し台を使うのは避け、排水によって周囲が汚染されないように気をつけてください。

サルモネラ菌は血液に侵入しやすい

――サルモネラ菌による食中毒では、どのような症状がありますか。

サルモネラ菌の場合は8~48時間の潜伏期間を経て、腹痛や下痢、おう吐、発熱といった症状を起こします。これらの症状は、カンピロバクターなどほかの細菌性の食中毒も同様です。

ただ、サルモネラ菌は血液の中に入りやすく、免疫力が低下している場合は、菌が血液に侵入する「菌血症」となって重症化し、まれに死に至ることもあります。また、乳幼児や高齢者も症状が重くなりやすいので、注意が必要です。

食中毒は原因菌が何であれ、症状が軽い場合は、水分を少量ずつこまめに摂取し、脱水に気をつけていれば、自然に回復していきます。水分がよく取れなかったり、症状が重くつらかったりするときには、大事をとって受診しておくといいでしょう。

野外イベントやレジャーでは集団食中毒が起こりやすい

――夏はお祭りの屋台や、音楽フェスなどのイベントの出店ブース、海水浴やキャンプなどアウトドアレジャーでのバーベキューなど、日常と異なる環境で食事をすることが多くなります。

そうですね。「食中毒、実は多い鶏肉由来 焼き鳥も要注意」の記事でもお話ししましたが、野外イベントに出店する飲食店は、普段の環境とは異なる場で、衛生管理に慣れていない臨時スタッフが調理しているケースもあり、衛生環境が悪化して、食中毒の発生リスクが高まる可能性があります。食中毒が発生すると、集団感染に拡大するケースも少なくありません。

また、アウトドアレジャーでバーベキューを楽しむときなどは、生焼けのまま肉や魚介を食べてしまったり、生肉をつかんだトングや箸でほかの食材を扱ったりすることもあります。食材をクーラーボックスに入れていても、調理のために取り出して置いておけば、急速に菌が増えていきます。

野外での食事や調理の際は、特に衛生環境に気をつけ、食材はよく加熱して食べるなどの対策を心がけるようにしてください。

(ライター 田村知子)

今村顕史さん
がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長。1992年浜松医科大学卒業。駒込病院で日々診療を続けながら、病院内だけでなく、東京都や国の感染症対策などにも従事。日本エイズ学会理事などの様々な要職を務め、感染症に関する社会的な啓発活動も積極的に行っている。自身のFacebookページ「あれどこ感染症」でも、その時々の流行感染症などの情報を公開中。都立駒込病院感染症科ホームページ(http://www.cick.jp/kansen/)。

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