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相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は、英語で最もよく使われる単語の一つ、動詞getについて見ていきます。

◇  ◇  ◇

ある日のこと、ユウカは同僚のスティーブが、めずらしく他部署のマネジャー、バーバラの個室から出てくる姿を見かけました。手にはコーヒーカップを持っています。スティーブが自席に戻ってきたので、「めずらしいことだね」と話しかけたのですが、彼の返事を聞いてユウカはびっくりしてしまいます。本当はちっとも驚くようなことではなく、言葉の勘違いにすぎなかったのですが……。

それはこんな会話でした。

Yuka: It's unusual for you to talk with Barbara.
Steve: I only got her coffee.
Yuka: Why did you do that?
Steve: Well, she wanted coffee.
Yuka: But you got her coffee, right?
Steve: Yeah. What's wrong with that?
Yuka: She's not a very nice person, but it's wrong to do something like that!
Steve: What are you talking about?!

2人は図らずも次のような会話をしていたことになります。

ユウカ:バーバラと話をするなんて、めずらしいね。
スティーブ:彼女にコーヒーを持っていっただけだよ。
ユウカ:なぜそんなことをしたの?
スティーブ:その、コーヒーが欲しいって言うからさ。
ユウカ:でも、コーヒーを持っていったんでしょ?
スティーブ:そうだよ。何か問題でも?
ユウカ:彼女はあんまりいい人じゃないけど、そのようなことをしてはだめよ!
スティーブ:一体なんの話をしてるんだい?

同じ文であっても、文法上、複数の意味を持ちうる場合があります。この会話でも、スティーブが二通りに解釈できる言葉を言っています。I only got her coffee.という文がそれです。一つ目の意味は誰にとってもすぐにわかるものですが、もう一つの意味は、日本人にはちょっとなじみのない用法をしたときに成り立ちます。「日本語の感覚」からは少し不思議な感じのする使い方ですので、ユウカがそれに気付かなかったのも無理はありません。このセリフを聞いたとき、彼女は心の中で次のように思ったのでした。

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