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自社株買い銘柄を探る 手元資金や実績手がかり

2019/8/10

写真はイメージ=123RF

上場企業が自社の株式を買い入れる自社株買いへの関心が高まっている。自社株買いの発表金額は2019年度に過去最高の9兆円規模に増える見通し。米中貿易戦争の激化懸念で相場が不安定になるなか、投資魅力を高める自社株買いには高評価が集まりやすい。今後の買い余力が大きい企業を探る動きも活発だ。

「初めて自社株買いを実施します」。清水建設は6月、三菱地所は5月にそれぞれ同社として初の自社株買いをすると発表した。いずれも発表翌日朝の株価は大きく値上がりし、市場は好材料として受け止めた。

自社株買いは企業が市場で流通する自社の株式を買い付ける財務戦略で、増配と並ぶ積極的な株主還元策として知られる。大きく2つの効果がある。1つは市場に出回る株数を減らし、需給を引き締める効果。もう1つが企業の財務指標を改善する効果だ。

自社株買いをすると計算上の発行済み株式数が減る。このため純利益を発行済み株式数で割って求める1株あたりの利益が増える。また実施分は自己資本から差し引かれるので、純利益を自己資本で割って算出する自己資本利益率(ROE)も改善する。ためこんだ資金の活用策として自社株買いをする企業が多い。

東海東京調査センターの仙石誠氏によると、日本企業が18年度に自社株の取得を決めた金額は7兆円程度。前年度に比べて2兆円以上増えた。19年度は9兆円規模に膨らむ見通しだという。

■借入金など確認

では自社株買い余力が大きい銘柄をどのように見極めるべきか。まずは企業の財務面に注目してみる。手元資金(現預金や流動性のある有価証券など)を多く持つキャッシュリッチ企業が有望だ。

総資産に占める有利子負債の比率を示す有利子負債依存度も重要だ。この比率が低い企業は借入金などの返済負担が大きくない。三木証券の北沢淳氏は「手元資金から有利子負債を除いたネットキャッシュがプラスに転じた企業に注目している」と話す。

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