消える芸人、アキラ100%が連覇 2位ひょっこりはん
好きな芸人 嫌いな芸人 2019
2019年版「これから1年で消えると思う芸人」の1位は、2年連続でアキラ100%。2位は初登場でひょっこりはん。いずれもブレイクのきっかけとなった持ちネタが飽きられており、次の一手をまだうまく打ち出せてないことが票を集めた要因のようだ。
日経エンタテインメント!では、2019年で16回目となるお笑い芸人の人気調査を実施。全国の男女1000人を対象に「一番好きなお笑い芸人」「一番嫌いなお笑い芸人」「この1年で最もブレイクしたと思うお笑い芸人」「これから1年で消えると思うお笑い芸人」の4項目で人気度を調査した(調査の詳細は「好きな芸人、サンドウィッチマンが連覇 さんま2位」をご覧ください)。
1位のアキラ100%は「ネタがつまらなくなっているから」(59%)が理由のトップで、「テレビや雑誌などメディアであまり見なくなっているから」(39%)が続く。そのネタに対しては「アキラ100%さん、いつまでこのネタを続けるのか」(45歳男性)の意見に代表されるように、お盆で股間を隠す裸芸を見飽きたという声が何件も寄せられている。
2位は初登場のひょっこりはん。理由はアキラ同様、「ネタがつまらなくなっているから」(63%)が最多だった。物陰からひょっこり顔を出すネタで大ブレイクした彼だが、次の一手はまだ見えない。
このほか、村本大輔、あぁ~しらき、久保田かずのぶ、夢屋まさる、秋山竜次ら8組が初登場。昨年は、『とんねるずのみなさんのおかげでした』や『めちゃ×2イケてるッ!』などの長寿バラエティが終了したこともあり、石橋貴明や岡村隆史といったベテランのビッグネームが「消える」にランクインしていたが、今年はそうした傾向は見られなかった。
あぁ~しらきは、昨年の『女芸人No.1決定戦THE W』ファイナリスト。第1試合で前年の優勝者・ゆりやんレトリィバァに勝ち、大きく注目された。最終結果は5位だったものの、リズムに合わせて主婦のサンバイザーを上げ下げするシュールなネタを披露し、爪痕を残した。
夢屋まさるは「パンケーキ食べたい」のフレーズの合間にオチのないガールズトークを挟む、自称"ジェンダーレス男子"芸人。あぁ~しらき同様、中毒性のある芸風だが、理解に苦しむ人が多いということだろう。
最後に、芸人全体についてこんな意見もあった。
「テレビで見かけなくなると"消えた"と言われがちだが、劇場を中心に活動している人のほうがよほど"芸人"だと思う」(36歳男性)
事実、活動の拠点をテレビバラエティから別の場所にシフトする芸人が近年増えつつある。政治や社会問題についてズバズバ言う自身の芸風と日本のテレビ番組との相性がよくないと考える村本大輔は、スタンダップコメディの本場アメリカでの活躍を目指して取り組んでいる。青木さやかは舞台やドラマに力点を置くように。綾部祐二(ピース)も世界に通用するスタンダップコメディアンになるべく、アメリカで修行中だ。
一流タレント以上に稼ぐユーチューバーも多い時代。テレビで全く見ない芸人が各ランキングの上位に名を連ねる日は近いかもしれない。
(ライター 遠藤敏文、木村尚恵)
[日経エンタテインメント! 2019年8月号の記事を再構成]
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