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三浦瑠麗 孤独に苦しみ、孤独が救ってくれた 初の自伝的著作に込めた女性としての思い、家族への愛

2019/8/8

国際政治学者としてテレビ番組でも活躍する三浦瑠麗さん(38)が、初の自伝的著作『孤独の意味も、女であることの味わいも』(新潮社)を5月17日に発売した。気鋭の国際政治学者として幅広く発信している三浦さんは、防衛大学校で心理学を教える濱村良久さん(64)を父に持つ。5人兄弟の第3子として、幼い頃から「女」であることを意識させられながら育ってきたことが本書からも強く伝わってくる。出版後は、14歳の時の性被害のことが大きく取りざたされたが、この本を出版した動機は、単に性被害を受けたという事実を公表したかったからではない。では何を表現し、伝えたいと思ったのか。話を聞いた。

■自分が感じてきた生きづらさをどういう形で表現するか

『孤独の意味も、女であることの味わいも』は、もともとは三浦さんが編集者から「女性についての本を書いてほしい」というオーダーがあって、着手した本だ。性被害を訴える「#MeToo」(「私も」の意)運動が米国で盛り上がりを見せ、日本でも働く女性はこの問題に大きな関心を寄せていた。自分の足で立ち、表に出る仕事をしている女性である三浦さんはこの問題をどう考えるのか、三浦さん自身もどういう生きづらさを抱えて生きてきたか。その生き方をロールモデルとして提供し、女性に対するメッセージを書いてほしいということだった。

しかし、三浦さんは「ロールモデル」には違和感があったという。

「女性が共通に体験する問題があるのは事実です。しかし問題を受け止めたとき、それぞれ違う感じ方をするのが人間ですよね。少なくとも私は、女性にひとつのロールモデルを提供することはできないと思いました。また、生きづらさに関しては、女性特有というよりも、人間がひとしく抱える孤独という視点で捉えることもできるだろうと」

そうであれば、自分が感じてきた生きづらさをどういう形で表現するか。半年ほど悩んだ結果、自伝という形が読者にも伝えやすく、スッと心に入ると思ったそうだ。

「今の女性たちにはハウツーよりも、心の滋養となる言葉が必要なのではないか。私が感じてきた困難やその時々の思いを叙述することで、読者がひとりの人間の固有の体験にさまざまな違いを超えて共感する。そんな可能性を探りたかったのです。エピソードごとに、表現されにくい思いに言葉を与えることで、人びとが自分自身の人生を振り返り、受け止める際の手がかりや、滋養になるのではないかと」

『孤独の意味も、女であることの味わいも』(新潮社)

本書で書かれているのは、幼少期の家の記憶、家族との関係、母親のこと、祖母のこと。いじめられたこと、子どもを死産したこと、夫とのこと、子育てのこと。そして中学3年生で受けた性被害のことなどだ。こうした体験を赤裸々に、しかし冷静に、「孤独」について、そして「女」としての自分について、つづっている。SNS上では発売当初から、「彼女に対する見方が変わった」という意見が、多数、見られる。

彼女の人生における孤独について語られる部分には性差を超えた共通性があり、タイトルからして圧倒的に女性読者が多いかと思いきや、男性の共感を多く得ている。

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