河童・鬼・てんぐ… 怪しくも楽しい妖怪の町10選

河童(かっぱ)、鬼、ろくろ首……。不思議なことが起きたら、それは妖怪の仕業かも。伝説が残り、その存在を感じる町を、専門家12人が選んだ。
■1位 岩手県遠野市 870ポイント
河童 座敷童やてんぐの伝承も

民俗学者、柳田国男による1910年出版の、妖怪や神霊などの伝承をまとめた「遠野物語」の舞台。「初めてでも気軽に楽しめる一方、今なお息づく妖怪の空気を味わえる」(似田貝大介さん)

河童伝説が確認された14カ所で最も有名なのが土淵町の「カッパ淵」=写真=だ。近くの常堅寺の火事を消して狛犬(こまいぬ)になった、水中に馬を引きずり込もうとしたのが見つかり、許してもらった後で家に入って座敷童(ざしきわらし)になった、と伝わる。「河童は見るもんじゃない。会うものだ」と話すのは市公認の守(まぶり)っ人(と)、二代目カッパおじさんこと運萬治男さん。運が良ければキュウリを餌に一緒に河童釣りを楽しめる。観光協会は「カッパ捕獲許可証」(210円)を販売する。

遠野物語で座敷童が2人いたという山口孫左衛門家の跡は雑草に覆われた野原。しかし「早池峯神社近くの廃校の小学校で今も座敷童の目撃者がいるなど人と妖怪との距離感が近い」(村上健司さん)。

市立図書館博物館にはてんぐの持ち物や孫左衛門家にあった像を展示。妖怪を解説するアニメーションを上映する。

(1)主なアクセス カッパ淵へはJR遠野駅からタクシーで約10分(2)サイト https://tonojikan.jp/(遠野市観光協会)

■2位 鳥取県境港市 710ポイント
ゲゲゲの鬼太郎と仲間 水木しげるロードでお出迎え
キャラクターは(C)水木プロ

「ゲゲゲの鬼太郎」の原作者、故・水木しげるの出身地。境港駅から水木しげる記念館を結ぶ水木しげるロードで177体の妖怪ブロンズ像が観光客を出迎える。多くは二十数センチ程度の大きさだが、「ふとした場所にさりげなくいるのが妖怪らしい存在感で良い」(宮本幸枝さん)。伝承されてきた妖怪より、水木創作のキャラクターが多い。

妖怪神社に妖怪パン、目玉おやじそっくりのまんじゅう、小豆を洗う効果音など町一丸で盛り上げる。「妖怪全般を楽しみたい人はぜひ。スタンプラリーは親子で楽しめる」(松村薫子さん)

砂かけ婆(ばばあ)や死神と出会えたら、一緒に写真を撮ろう。8月24日までの土曜日(除く17日)と11~15日は午後7時から午後9時まで鬼太郎らがナイトウオークに登場する。

(1)JR境港駅から記念館へ徒歩約10分(2)http://www.sakaiminato.net/(境港市観光協会)

■3位 徳島県三好市 700ポイント
子泣きじじい 手作りの像が並ぶ山道

年寄りなのに赤ん坊のように泣き、抱き上げるとしがみついて離れない。しまいに命を取る――。柳田国男がコナキヂヂと紹介した児啼爺(こなきじじい)の里。「空が狭いと感じるほど急峻(きゅうしゅん)な山に囲まれ、不思議な雰囲気」(香川雅信さん)

妖怪は70種類、伝承の地は190カ所確認されている。事故が起きやすい道などを「妖怪が出る」と警告したのが起源という。道の駅大歩危の「妖怪屋敷」には住民自作の「ユーモラスな妖怪たち」(富本一幸さん)を展示。道の駅から児啼爺の石像を往復する約4キロと、山を登る約8キロの妖怪ロードには全28体の手作りの像があり、妖怪たちが大切にされていることを実感する。「夕暮れ時がおすすめ。マジ怖い」(前川さおりさん)

(1)妖怪屋敷はJR大歩危駅から徒歩約20分(2)https://oobokeyoukaimura.localinfo.jp/(四国の秘境 山城・大歩危妖怪村)