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入り口近くの有力ビジネス出版社別の話題書の棚に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

入り口近くの有力ビジネス出版社別の話題書の棚に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店に戻る。息の長い売れ筋に加えて、専門書や実用書も安定した売れ行きでビジネス書の売り上げを下支えしている。そんな中、書店員が注目するのは、国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)について、基礎知識や導入へのヒントを専門家がわかりやすく解説した入門書だった。

17個セットになった目標

その本は村上芽・渡辺珠子『SDGs入門』(日経文庫)。文字通りの入門書で、新書サイズの手軽な本だ。だが、シンクタンクのこのテーマの専門家2人がセミナーや講演でよく質問を受けるポイントを重点的に解説したというだけあって、これからSDGsに取り組もうという企業のビジネスパーソンにとって、かゆいところに手が届く内容になっている。

SDGsとは、2015年の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」という文書の中に書かれた17の目標だ。SDGに「s」が付いているのは、「何か1つ達成できたら良いのではなくて、17個、セットになっているのが大事」だから。こんな解説から始まって、そもそもSDGsとは何かという基本的な内容が示される。ポイントは企業を巻き込んだ目標になっていること。このため多くの経営者が「わが社とはどういう関係があるのか」「何か、新しいことをSDGsで考えろ」と言い出す状況が生まれているのだ。

担当者はどう考えればよいか

そう言われたとき、担当者だったらどう対処すればいいのか。本書はそのヒントや手法について、全5章のうち3章を使って詳述している。第1の教えは「今ある取り組みからできることを考える」。国連が採択した目標ととらえると、話が大きすぎて実感が持てない。とにかく「自分ごとにできる」地点から考えるのがSDGs達成に向けた取り組みを一過性にしないための出発点だと説く。

自分ごとにできる今ある取り組みから考え始めて、良い方向に転ぶ話へと発展させ、17のゴールのうちどれを狙っていくか、さらにゴールの細目にあたる169のターゲットのどれに貢献することを目指すかと発想をつなげていく。こうしたロジックモデルに沿って取り組みを進める手法も示す。

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