値下がりしにくい中古マンション 最新データで探す不動産コンサルタント 田中歩

築5年で購入して15年経過すれば、大手は大手以外に比べて9万円ほど成約単価が下がると予想できるわけですから、この場合は大手が持つプレミアム分(前述の10万2224円)の9割程度が消失してしまう計算です。

一方、築20年超の場合、大手であれば大手以外と比べ平均で1万3603円高くなります。築20年以内に比べるとずいぶん差が縮まります。経過年数1年当たりの価格下落は大手で約4200円、大手以外は5657円でした。

以上からすると、値下がりしにくい観点では、駅近、上層階で築20年以内ならば大手以外、築20年超ならば大手というのが一つの考え方になるかもしれません。

評価の要素が変われば価格も変化する

中古マンションの価格形成に関係する要素は、オープンになっている情報、つまり駅からの距離や所在階、築年数、大手か否か、タワーかどうかといった情報です。しかし、新たな情報が公開されれば、場合によっては価格に大きく影響することがあります。

例えば、管理状況に関する情報です。劣化状況とそれに対する維持修繕が適正かどうか、維持修繕にかかる費用の見積もりが適正でそれに合わせて修繕積立金が積み立てられる計画になっているかといった情報がオープンになれば、現在とは違った価格評価体系が出来上がるかもしれません。

先日の日本経済新聞の記事「修繕積立金 家計に暗雲 マンション3割『不足』」にもあるように、積み立て不足のマンションは多いといわれています。もし、修繕積立金が公開されるようになれば、取引価格に対する影響度は計り知れないでしょう。

ここで分析した結果は一定の意味があると思います。しかし、これからマンションを購入する人は分析結果のみならず、管理状況に関する情報、例えばそのマンションの総会議事録や決算書、劣化状況報告書、修繕履歴、長期修繕計画案などを入手し、専門家の力を借りつつ吟味することも大事だと思います。

田中歩
1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、ライフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインスペクション(住宅診断)付き住宅売買コンサルティング仲介などを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」に参画。
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