秋の新作ビジネスリュック 小型・薄マチがさらに進化
特集 タイプで選ぶ人気ブランドの最新ビジネスバッグ(上)
まだまだ暑い日が続くが、店頭には秋物が並び始めた。そこで今回、来る秋に備えて、人気ブランドの新作ビジネスバッグをタイプ別に紹介する。第1回はいまや仕事のカバンの主流になったビジネスリュック。秋も小型・薄マチが人気傾向にあり、各ブランドからコンパクトで機能的な新作が続々発売されている。
ポーター/薄マチだが収納力が高い
ポーターは人気シリーズから6つのタイプのビジネスリュックを一斉に登場した。そのひとつが、今回紹介するPORTER HYBRIDシリーズのデイパックだ。
荷物の小型化に伴い、ビジネスリュックは薄マチが人気傾向にある。このデイパックもマチ幅は12cmと薄い。一方でフロントには2つのファスナーポケット、上部にはスマートフォンなどの収納に便利なモバイル用ファスナーポケット、そしてサイドに折り畳み傘などの収納に便利なメッシュポケットを装備。メイン収納部の背胴側に大型オープンポケット、前胴側に小分けポケットを設けるなど、薄マチだが収納力が非常に高い。
メインの素材に、吉田カバンのオリジナル生地「X-C1000」を採用している点も特徴だ。この素材は、ヨットなどで使用されるセール(帆)でシェア世界一を誇るディメンションポリアント社と、アウトドア用品にも使われる高機能素材を数多く手がけるインビスタ社の協力を得て開発。強度と軽さを兼ね備えた1000デニールのコーデュラナイロンに加工を施すことで、生地の伸びを抑えて水の浸入を防ぐことを可能にした。
強度・軽さ・防水性を備えた高機能素材を使った薄マチ仕様。収納力も高く、現在のトレンドを満載したビジネスリュックに仕上がっている。「販売は好調で、一斉発売した6タイプのなかでも一番人気」(吉田広報部 の阿部貴弘氏)。20代後半~40代の幅広い世代のビジネスパーソンから支持されているという。
トゥミ/高さを抑えてコンパクト化
最近のビジネスバッグの傾向について「小さめのバッグの需要が増え、バックパックもスマートでコンパクトなものが注目されている」と話すのは、トゥミ ジャパンのAD/PR/SPオフィサー、石井清美氏。同社のALPHA BRAVOコレクションでも、2019年秋冬の新スタイルとしてコンパクトなバックパックを発売。高さを抑えることで、見た目においてもコンパクトでスマートな印象に仕上がっている。
コンパクト設計ながら開口部が大きく開き、荷物を出し入れしやすいのも特徴。メインコンパートメントには、パッドで保護された最大14インチのパソコンを収納できるPC用ポケットとタブレットポケットを装備する。
サイドポケットの一つには防水加工が施されており、折りたたみ傘やペットボトルの収納に対応。背面にはスマートフォンの収納に便利なポケットや、スーツケースにセットアップできるスリーブも備え、見た目以上に機能性が高い。コンパクトな上に、しっかり握れるトップハンドル付きなので、通勤時の混んだ車内で前に抱えても、手持ちで持ってもわずらわしさを感じにくい。
19年秋冬からの新商品だが5月から発売されており、発売以来、人気の高い商品だという。「コンパクトなビジネスリュックを探されている方に支持を得ている」(石井氏)
サムソナイト/マチ幅を拡張できるスリムな新型
「Every Person is Different」というコンセプトのもと、グリップハンドルの裏にアクセントカラーを採用するなど、個性的で洗練されたデザインが特徴の「Epid(エピッド)」シリーズ。この人気シリーズの19年秋に登場した最新モデルが「EPid 3(エピッド スリー)」だ。
EPid 3は従来と比べ、ガジェット収納スペースを多く設けることで、スマートに見せながらも収納力を高めた設計となっている。薄マチでシンプルなデザインでありながら、ビジネスツールを仕分けて収納できる内装機能「ガジェットコンパートメンツ」を装備。パソコン・タブレット・マウス・ケーブルなどのガジェット類、財布・スマートフォン・手帳・ペンなどの小物類を取り出しやすく分類できる。
マチ幅を3cm拡張できるエキスパンダブル機能も装備。普段の通勤ではスリムに使えて、荷物が多い時や出張では容量を増やして使用できる。1つのバッグで2役こなすコストパフォーマンスのよさも備えているのだ。
発売は19年8月。30~40代のビジネスパーソンをターゲットとしている。「Epidシリーズは2013年の発売以来、サムソナイトのビジネスシリーズでNo.1の実績を誇る人気シリーズ」(サムソナイト・ジャパンのマーケティング部マーチャンダイザー、重村誠一氏)だけに、3代目となる最新型にも注目が集まる。
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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