利用者は1日単位の自動車保険に加入する。料金もクレジットカードでサービス運営会社に支払う。運営会社が手数料として10~20%を差し引いて所有者に振り込む。エニカによると「所有者の1カ月あたりの平均手取り額は2万5000円」だ。
空き部屋や物置を収納代わり
自宅の空き部屋や物置を収納代わりに貸し出す副業もある。モノオク(東京・渋谷)やLIFULL(ライフル)などがサービスを手掛ける。こちらも所有者が収納スペースの写真などを登録、利用の申し込みを待つ仕組み。料金は様々で、1畳分の広さを1カ月使えば3000円程度だ。運営会社が手数料を引いて所有者に振り込む。
利用者が直接持ち込んだり宅配業者が配送したりする。書籍や家具、旅行用のスーツケースなどが多いが、収納部屋まで貸し手が運ばなくてはならないことがあり、大きな家具だと別に人手が必要になることには注意したい。
語学のスキルが生かせる副業もある。オンラインの語学講師だ。パソコンの通話ソフトで子供向けにやさしい英語を教えたり、日本で暮らす外国人に日本語の日常会話やマナーなどを教えたりする。
講師になりたい人は経歴などをサービス運営会社に登録し、審査に合格する必要がある。その際、日本語教育能力検定試験に合格しているなど資格が必要な場合もある。オンラインの語学教育は在宅学習になるので、夜8時から深夜1時までの需要が多いという。1時間の授業で手取りは500~1000円程度だ。
年間20万円超の所得で確定申告が必要に
副業を始める際の注意点はまず、勤務先の就業規則で副業が禁止されていないかどうかの確認だ。また、副業による所得が年間20万円を超えると、確定申告が必要になる。
サービス運営会社の規約などを精読することも重要だ。例えば、収納代わりに荷物を預かるサービスでは可燃物や生き物、高価な着物など預けられないものを列挙している。期限通りに引き取りに来ないケースも含め、預けた側が違反した場合、運営会社に連絡すれば解決の手助けをしてくれる。
自家用車のシェアでは貸し手、借り手がお互いを評価する仕組みがあり、問題があればサービスの利用ができなくなるようにしている。
副業だからと軽く考えていると、利用者とトラブルになりかねないので注意したい。
(川鍋直彦)
[NIKKEIプラス1 2019年8月3日付]