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定年楽園への扉

立派な事務所、凝ったロゴ シニア起業失敗の方程式 経済コラムニスト 大江英樹

2019/8/8

写真はイメージ=123RF

定年退職した人が再雇用でもなく転職もせず、自営業やフリーランスとして独立するケースは少しずつ増えてきているようです。私は定年後に起業する人が増えることはとてもいいことだと思っていますが、残念ながら起業してもビジネスとして続かず、そのまま消えていく例も多いという話をしばしば耳にします。

起業に関しては様々な観点から考えるべきことがあり、失敗の原因は一つではありませんが、これでは明らかにうまくいくはずがないだろうということがあります。それが起業におけるお金のかけ方です。失敗する人の多くは、起業に際してお金のかけ方を間違っているからではないかと思います。

■見栄えにこだわるのは禁物

どんな間違いなのかを一言で言えば「見栄えを良くしようとすること」です。見栄えというのは何か。例えば事務所です。接客業であるならばともかく、それ以外の事業に最初から立派な事務所が必要かどうかは疑問です。最初は自分の家をオフィスにして始めてもかまわないのです。ところが初めからオフィスを借りる、それも都心の良いところに借りようとしがちです。当然家賃も高くなりますし、内装や設備もそれなりのものが必要と考えてしまうようです。

また会社設立にあたって、ロゴマークを作ってもらうのに高いデザイン料を払うなどすることも無駄なお金の使い方と言えます。シニア起業の場合、最初から多くの人を雇うことはまずありませんから、立派なオフィスもカッコ良いロゴも不要です。私もシニア起業をして登記上の会社住所は銀座となっていますが、これはレンタルオフィスであり、実質的にここで顧客に会うこともなければ仕事をすることもありません。事実上は自宅がオフィスなのです。

年間140回以上も講演をして全国に出かけているため、電話を受けてもらったり郵便物を受け取ってもらったりするためだけに借りているようなものです。レンタルオフィスですから費用は月2万~3万円です。会社のロゴはありますが、これはネットで業者に頼んで3900円で作ってもらったものです。専門のデザイナーに何十万円も払って作ってもらう必要はないと考えたからです。なぜ、こうしたものにお金をかけるべきではないかと言えば、これらはキャッシュを生み出さないからです。

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