立派な事務所、凝ったロゴ シニア起業失敗の方程式経済コラムニスト 大江英樹

「でも、やっぱり見栄えを良くした方が、顧客に対する印象も良いのではないか」と思う人がいるかもしれませんが、それはあまり意味がないでしょう。なぜなら、そもそも起業したばかりであれば、会社の名前も事業内容も世の中の人にはほとんど知られていません。会社の名前や事業をPRするためにお金を使うならともかく、事務所やロゴといったキャッシュを生み出さないものに投資する(お金をかける)のはファイナンスの基本から外れています。

私が知る限りでは、大企業に勤めていた管理職の人が起業するときほど、こうした見栄えをよくすることにこだわりがちです。自分でリスクをとってリターンを得るという経験をしていないからでしょう。それまでに所属していた組織のブランド意識が強い人ほど、そういうことをしがちになるのかもしれません。

シニア起業をするのであれば、まずは自分がやりたい、あるいはやるべきビジネスモデルの構築を一生懸命考えたほうがよいでしょう。そして将来の収益を生み出す可能性のある「リレーションづくり」にお金をかけるべきですし、自分のビジネスに必要な情報を収集するための投資はすべきだと思います。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は8月22日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/
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