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相続税の申告漏れ 税務署はどこを見ているのか 相続税の基礎(4)

2019/8/4

 税務調査はどれくらい行われているのかしら。

幸子 所得税の調査が最も多くて、国税庁によると2018年6月までの1年間で7万件超、相続税は1万件超の実地調査が行われたそうよ。実地調査が行われると、80~90%前後の割合で申告漏れを指摘されるわ。

良男 相続税は所得税に比べると件数が少ないね。

幸子 相続税は所得税よりも申告人数が少ない分、調査件数も少ないけれど、相続税の調査対象になるのは10人に1人とかなり高い割合よ。それに、税理士の藤曲武美さんによると「税務調査は相続税が一番厳しい」そうよ。申告漏れを指摘される割合も高いわね。

良男 この前、会社の同僚のお父さんが亡くなったんだよ。お父さんは結構、資産家だったらしい。相続税の調査の傾向と対策を知りたいな。

幸子 相続税の調査で最も税務署から指摘を受けやすいのは「名義預金」ね。被相続人(亡くなった人)が相続人の口座名義を借用した預金のことで、本来は相続財産として申告する必要があるのに申告していないものを指すの。

良男 でも今は金融機関の本人確認が厳しいから他人名義の口座をつくるのは難しいよ。

幸子 昔につくられた口座ではあるみたい。税務署は被相続人と相続人の過去数年間の預金口座の入出金状況を調べて、預金を移し替えた形跡が濃厚なら「名義預金」と認定する傾向が強いと聞いたわ。実際、申告漏れが多い相続財産の中で、名義預金などの現預金は3割以上を占めるのよ。

良男 他にどんな注意点があるのかな。

幸子 亡くなった人の預貯金残高が、相続開始時点から大きく変わった場合ね。例えば、亡くなった人の口座から葬儀費用や埋葬費用、病院への支払いなどの多額のお金をカードで引き出すことがあるでしょ。藤曲税理士は「相続税を申告する際は相続発生時点の残高を記載する必要がある」と指摘しているわ。ここを間違ってしまうと、実地調査まではいかなくても税務署から「お尋ね」がくる可能性があるわね。

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