検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

引く手あまたのデータサイエンティスト 学生は及び腰?

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

膨大なデータから機械学習や統計学などの知識を駆使し、新しいビジネスの糸口や課題解決への道筋を引き出す「データサイエンティスト」。デジタルシフトの時代において、IT(情報技術)企業だけでなくメーカーや小売りなどあらゆる産業で引っ張りだこの人材で、「21世紀で最もセクシーな職業」とも称される。これだけ期待が高まるデータサイエンティストだが、実は就活生は二の足を踏むという調査結果が出ている。そのミスマッチの謎を追った。

就活生「どの程度のプログラミングスキルが必要かわからない」

20年卒の大学生を対象にしたマイナビの調査(19年4月24~30日実施、有効回答数7342人)では、データサイエンティストの志望者はわずか3.3%。さらにデータサイエンティストやシステムエンジニア、ITコンサルタントなどを含む「AI・IT関連の職種」について「志望しない」と答えた学生の割合は75.4%にも上った。

実際、学生に話を聞くと「とても興味はあるが、ハードルが高そう。特に文系学部からは厳しいのではないか」(都内私立大学3年の男子学生)といった声は少なくない。

大学でデータサイエンスを学んでいる学生からはこんな声も聞こえてきた。「志望しているスタートアップ企業はデータを活用してどのようにビジネスを展開していこうとするのか、よくわかりません。企業側のニーズやビジョンがわからないと、自分のスキルが生かせるかどうかの判断ができない」(筑波大学4年の男子学生)

マイナビの調査でも、データサイエンティストを含むAIに関わる職種を「志望する」とした学生の6割以上が「企業からどの程度のプログラミングスキルを求められるのか基準がわからないことに困難を感じる」と回答。データ活用の詳細は外部には明かせない情報ではあるが、企業側がデータ活用に関してどんな人材を求めているかきちんと伝えきれていないことも、学生側が戸惑う要因になっているようだ。

人事も誤解しがちなデータサイエンティストの要件

マイナビ就職情報事業本部の林俊夫さんは「採用を担当する人事と、実際にデータサイエンティストを必要としている現場の間で認識のギャップが大きく、求める人材の『要件定義』ができていないケースが多い」と指摘する。

具体的にどんな認識のギャップがあるのか。一般社団法人データサイエンティスト協会の理事で、博報堂DYメディアパートナーズの現役データサイエンティストでもある宮腰卓志さんによると、ギャップのパターンは主に2つ。1つ目は、人事担当者が「データサイエンティスト」=「理系のエンジニアタイプ」と思い込んでいるパターンだ。これは学生側が尻込みする要因にもなっているが、「データサイエンスの現場からすると、理系出身者だけを求めていることは決してありません」と宮腰さん。

実際、現在活躍しているデータサイエンティストの中には文系出身の人も少なくない。宮腰さん自身もその一人で、しかも「高校時代は数学の成績で1を取ったこともあり、国語や世界史が大好きな『ど文系』」だったという。大学時代に言語学を学ぶ過程で認知科学(人間の知覚、記憶、思考などの知的機能のしくみを、心理学や計算機科学などのさまざまな分野の視点から研究する科学)の手法に接し、そこからプログラミングを学び始めた。就職先に博報堂を選んだのも、人間や言葉、社会に関心があったから。本格的なデータサイエンティストとしてのスキルは現場で学んでいったという。

「かつてはデータ分析をするのに自分でプログラムを書く必要がありましたが、いまや分析のためのツールもたくさんある。初歩的なデータサイエンスなら、それらをコピペして組み合わせることでも可能です。文系の学生さんも『高校時代に数学が苦手だったから』などとあきらめずに、大学の学びの中で、統計などの分野にもぜひチャレンジしてほしい」(宮腰さん)

認識ギャップの2つ目は、人事側がデータサイエンティスト=会社にとって未来のビジネスをつくり出してくれる「スーパーマン」と思い込んでいるパターンだという。データサイエンティスト協会によれば、求められるスキルは「ビジネス力」と「データサイエンス力」「データエンジニア力」の3つに分けられる。

・ビジネス力…課題の背景を理解・整理し、解決していく力
・データサイエンス力…情報処理やAI、統計学などの知識を理解し、使いこなす力
・データエンジニア力…データサイエンスを意味のある形にして、システムやアプリに実装・運用できるようにする力

「『スーパーマン』とは、この3つのスキルを全部完璧に持っている人ですが、いま活躍しているデータサイエンティストの中にもそんなスーパーマンはほとんどいません。各企業では、3つのスキルのどこかに強みのある人が集まって、実際はコラボレーションしながら仕事を進めているのです」(同)

理系知識より論理的思考力を持っているかどうか

気になる専門知識について、DMM.com(東京・港)のCTO室データサイエンティストの丸尾大貴さん(取材時はLINE Data Labs のデータサイエンティスト)は「特にデータサイエンスを学んでいなくても大丈夫。微分積分や行列に関しては、大学受験レベルの知識があれば十分」と指摘する。

「一番重要なのは、人間に興味があること。大学時代の専攻分野は何でもいいので、真面目に勉強して、論理的な思考が身についている人が欲しいです。それと、例えばラーメン屋を開くのにどういう価格設定で何人くらいくればもうかるかといった数理的な推論が好きで得意な人が向いていると思います」

ただ、丸尾さんによれば、個々の企業によって、データの集積や活用のレベルにはかなりの差があるため、求める人材要件も一律ではないという。

それに加えて、前出の宮腰さんは業種によっても求める人材の傾向は異なると指摘する。例えば広告業界では、社会工学や統計を使った心理学などをビジネスに応用する力を、ソーシャルゲームやSNS(交流サイト)、ポータルサイト運営などいわゆる「ウェブ系」の企業はエンジニア力やプログラミング力を重視する傾向が強いといった具合だ。

しかしそうした情報は、学生側にはなかなかわかりづらいもの。今まさにデータサイエンティスト協会では、各企業がどういう志向性のどのレベルの学生を求めているのか調査を行っている最中だという。「今年10月には第1弾の結果を発表する方向で準備を進めています」(宮腰さん)

ビジネスの世界では、あらゆる業種でデータを使って生産性や収益性を上げていくデータドリブン化が進んでいく。政府も、文系か理系かを問わず国立大学の全学部でデータサイエンスや数理の教育を課す方針を打ち出している。就活に関しても、学生・企業双方で「データサイエンティスト=理系のスーパーマン限定の仕事」という先入観を捨てる意識改革が必要だ。

(ライター 石臥薫子)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
画面例: 日経電子版 紙面ビューアのハイライト機能
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_