転職成功、最後にもの言う人間力 趣味・学びで磨くエグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

「話題豊富になる」だけではない 教養を磨く効果

あるベンチャー企業の経営幹部に、大学時代のバスケ部の先輩の後任として、出身高校の監督に就任した人がいました。副業である「バスケの監督」としては、週末はフルで練習や試合に参加し、平日も時間を見つけて部活動に立ち寄る日々。さらに多忙となり、時間のやりくりに非常に悩んだのですが、それにより「いかに効率的に仕事をするか」を考えざるを得なくなったそうです。

そこでRPA(Robotic Process Automation)の導入やBPR(Business Process Re-engineering)の推進などを独学で学び、自社に取り入れることを決断。会社全体の効率につながった、という話もあります。効率化が実現しただけでなく、「仕事では得られないような感動や選手たちの成長を目の当たりにして、非常に刺激をもらっている、モチベーションアップにもつながっている」と言っていました。

カルチャーやスポーツなどのサークル活動やコミュニティーでは、会社にはいないような属性の人々と接し、職場とは全く異なる役割を担う機会があります。そこで気づきを得て、ビジネスやマネジメントに生かしている人もいます。

私自身も20代の頃から、いろいろなお稽古事や体験にチャレンジしてきました。好奇心の強さもありますが、仕事柄、経営者を中心とした多くの人に会うので、幅広い話題に対応できるようになりたいと思ったからです。

私が習ったり体験したりしたのは、陶芸、生け花、フラワーアレンジメント、絵画、料理、ゴルフ、テニスなど。トレッキングが趣味の人に出会い、「連れて行ってください」とお願いして同行したこともあります。演劇やコンサート、自己啓発セミナー、国内外の旅行にも出かけました。そうした活動の結果、「話題が豊富になる」というだけでなく、次のような効果も得られました。

・多様な価値観に触れ、受け入れられるようになった

それぞれのジャンルで、それを生業にしている人、長年続けている人に出会いました。そうした人たちと接することで、さまざまな世界観、価値観、表現方法があることを学び、それを受け入れる姿勢が身に付きました。人それぞれ、その人に合った生き方があるのだと、理屈ではなく心と本能で理解することができたのです。これはビジネスで出会う、様々な人と関係を築くのにも、後輩や部下のマネジメントにも生かせました。

・自分自身の異なる一面を発見できた

「私には向いていないかも」と思いつつトライしてみたことで、思いがけない発見もありました。それは「陶芸」。私は人とおしゃべりしたり、あちこち動き回ったりすることが好きなので、陶芸のように一人で黙々と、座って集中する作業には苦手意識を持っていました。ところでやってみると、「無心になる」ことでリフレッシュでき、こんな時間を持つのもいいな、と思えたのです。

自分が好きなテーマだけでなく、ときにはそれまで興味がなかったテーマに取り組んでみるのもいいと思います。「意外と楽しめる」「意外と上手にできる」など、自分の新しい一面を発見できるかもしれません。

・「一流のプロ」を目指す意識が生まれた

様々なジャンルで「一流のプロ」の仕事に接し、人の期待値を超える仕事は「感動」さえ生む力があると実感しました。そこで私も自分のフィールドにおいて、人に感動を与えるプロフェッショナルでいたい、という想いが強くなり、期待値以上のサービスを提供しようと決意したのです。それを意識して日々を過ごした結果、実績を積み上げることができたのではないかと思います。

このように、仕事とは直接関わりがないようなテーマに目を向け、体験してみることはとても大事だと思います。仕事とはまた違った成長があり、人として自信を持つこともできます。ぜひ時間とお金を投資してみてはいかがでしょうか。

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