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霊峰へ、ご来光の旅 ナショジオ写真家がみた富士登山

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

今日は山の日。多くの名山を抱える日本だが、単なる登山を超えるのが富士登山だろう。富士山がもつ魅力は、外国の人々には、どう映ったのか? 世界報道写真コンテスト入賞経験があり、ナショジオ誌でも活躍するデビッド・グッテンフェルダー氏の写真とともに、ご覧いただこう。

◇  ◇  ◇

毎年7月から9月、富士山を訪れる登山客は数十万人を数える。彼らは、息を切らしながら重い足取りで夜明け前の富士山を登ってゆく。山頂は敬虔(けいけん)な沈黙に包まれ、遠い大地は雲のはるか下だ。やがて夜明けが訪れ、透明な光が山頂を金色に染め上げる。それを彼らは特別な言葉で呼ぶ。「ご来光」だ。

標高3776メートルの富士山は、日本で最も高い山である。特徴的な美しい円錐形の山体は複数回の大噴火によって形成された。かつて神々がすむとされていたこの山は、今でも登山道のあちこちに神社があり、聖と俗の境界を示す鳥居が立っている。現代人はレジャーとして富士山に登ることが多いが、山のそこかしこに神聖な気配が漂っている。

2018年に富士山に登った写真家のデビッド・グッテンフェルダー氏は、「富士山は歴史的に霊山として信仰の対象となってきた山で、今日でも日本の社会や文化に深く根付いています」と説明する。「晴れた日には東京からも富士山を見ることができます」

かつての富士山は孤独な求道者たちの修行の場だったが、現代人にとっての富士登山は、経験を共有し、連帯感を強めるための儀式のようなものになっている。人々は富士山に登ることで共通の遺産に敬意を表し、それを守ろうとしているかのようだ。

「私にとっての山登りは、苦痛で、孤独で、個人的な体験です。山頂で達成感を味わうと同時に、内省します。日本人にとっての富士登山は、それとは全然違います」とグッテンフェルダー氏は言う。「日本人は、単独行動を厚かましいと考えることがあります。スペースに限りがあり、ほかの人々と譲り合わなければならない場所では特にそうです。だから彼らは一緒に行動し、助け合います」

一般に、登山者は1日目の午前中から登りはじめ、6時間から8時間歩いて、夕方に山小屋に到着する。「山小屋はすし詰めで、赤の他人とぴったりくっついて寝ます」とグッテンフェルダー氏は言う。「夜中の1時に起こされて、みんなで山頂を目指します。いちばん美しい瞬間を山頂で迎えるためです」

グッテンフェルダー氏は2013年に初めて富士山に登ったときのことをこう振り返る。大勢の人が一緒に腰掛けて夜明けを待ち、太陽が顔を出すと、人々は両手を挙げ、声を合わせて万歳を叫んだ。「声は山頂にこだまし、人々は感動に沸いていました。私も心を大きく揺さぶられました」

富士山は火山である。1707年以降、爆発的な噴火は起きていないが、地質学者は富士山は活火山だと考えており、日本政府は防災計画を立てている。次に大噴火が発生したら、おそらく数百万人が被災し、数多くの芸術作品に描かれてきた美しい景色も一変するだろう。

富士山の未来がどのようなものになるかはわからない。しかし、富士山が日本文化にもたらした遺産は決して消えることはない。山は常に生まれ変わりながらも、人間の命のはかなさと対照をなして存在し続ける。

次ページでも、グッテンフェルダー氏が見た、富士登山者たちを写真で紹介しよう。

(文 Gulnaz Khan、写真 David Guttenfelder、訳 三枝小夜子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2019年2月23日付の記事を再構成]

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