「ギターとジーンズ、使い続けて自分の一部に」フェンダーミュージック社長エドワード・コール氏に聞く

「ギタービジネスは死に絶えた? とんでもない。今ほどエキサイティングで成長する時代はないですよ」と話すフェンダーミュージックのエドワード・コール社長(東京都内のFender Music Backstage)
「ギタービジネスは死に絶えた? とんでもない。今ほどエキサイティングで成長する時代はないですよ」と話すフェンダーミュージックのエドワード・コール社長(東京都内のFender Music Backstage)

6月15日に東京・原宿で米有名ギター、フェンダーの祭典「フェンダー カスタム ショップ エクスペリエンス」が開かれた。来場者は1万2000人に達し、その多くがお目当てにしていたのがカスタムギター。ビンテージ加工や独特の装飾を施し、1本で数百万円にもなる究極の逸品だ。顧客のあらゆる要望に職人技で応えるビスポークギターにはファッションとの共通点が多い。アジア・パシフィックを統括するフェンダーミュージック社長エドワード・コール氏に、「ギターのラグジュアリーブランド」の魅力の本質を聞いた。




■意図的に経年変化を施す「レリック加工」が注目

――イベント会場にはさびや打痕といった経年変化を意図的に施した「レリック加工」のギターが並び、その完成度の高さに驚きました。傷まで忠実に再現した有名アーティストモデルや豪華な装飾のモデルも目を引きました。フェンダーギターの中でもっとも高額なライン「フェンダー カスタム ショップ」を立ち上げた理由は何でしょう。

さび、傷、打痕の再現もお手のもの。経年変化を施す「レリック加工」によって人工的に古さを出す。そのすごさは近づけば一目瞭然だ
11人いるマスタービルダーはそれぞれ得意分野がある。こちらのビルダーは美しい彫刻が得意。匠(たくみ)の技はほれぼれするほど

「一見ものすごく古びたギターに見えても実はまったくの新品です。11人いる最高峰の職人、マスタービルダーの匠(たくみ)の技によるものです。カスタムギターはもともと最高の木とパーツでギターを作ってほしい、というアーティストのリクエストから始まりました。なかには20年弾き続けてきたギターが大好きだから、スクラッチ(傷)も見た目もまったく同じギターを5本作ってくれ、といった要望もありました。職人が育ち、レリック加工の技術が磨かれていき、正式に『カスタム ショップ』とブランド化したのは30年ほど前です」

ジミー・ペイジ氏が1967年に自ら鏡をつけたり、塗装をはがして絵を描いたという伝説のギターを忠実に再現。「ミラー付テレキャスター」(左)と「ドラゴンペイント入りテレキャスター」は2本セットで640万円。「110%正しくやってもらえた」とペイジ氏は満足したという(6月15日、東京都渋谷区のラフォーレミュージアム原宿)

「我々のギタービジネスの中でビスポークが一番の成長株。しかもその金額は天井知らずです。需要は生産能力をはるかに超えています。最近の話題の品はジミー・ペイジがレッド・ツェッペリン始動時に使ったギター。彼は8枚の丸い鏡を自分で貼りつけましたが、その後に塗装をはぎ取り、今度は自らドラゴンデザインの絵柄をペイントしました。それを再現したギターは2本セットで640万円。世界で50セット限定ですが購入希望者は何千人もいます」

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