社員は耳にタコ カルビーを元気にした10カ条の掟カルビー元会長 松本晃氏

上司と部下、契約で責任を明らかに

約束は、誰と誰がするのか。上司と部下です。カルビーではC&Aを徹底するため、上司と部下の間で契約書を交わすようにしました。契約ですから一方通行ではありません。2人で話し合った結果を契約書に書いてサインする。そして1年後、約束を果たしたかどうか確認するわけです。

「10の考え方」で一番大切なのは、約束と結果責任だ

契約書を交わすのは、まず僕から始めました。僕の上司は株主です。ただ、株主は目の前にはいないので、代わりに株主の代表である取締役との間で契約を結ぶんです。取締役会で「今後1年間でこれとこれとこれをやります」と説明して承認を得る。それが契約です。次に僕と社長の間で契約を交わす。社長は、その部下と契約を交わす。そうやってどんどん上から下へ契約を交わしていくんです。

結果に対する責任もちゃんと取りました。たとえば、2016年3月期のことです。業績はよくて、営業利益は前年より16%増えました。普通の会社なら全然悪くありませんが、僕は株主と「19%増やす」と約束していたんです。できると思って約束した。でも、できなかったので、ボーナスの辞退を申し出ました。まあ、僕がゼロだと他の人がもらいにくくなるということもあって、最終的には少しだけもらいましたが。

お金が嫌いかというと、そんなことはないんです。まあまあ好きです。しかし、自分に妥協してボーナスをもらうのと、会社の文化をつくるのと、どちらがいいか。僕の価値観が、文化の方を選んだということなんです。

10番目の「簡素化、透明化、分権化」という業務の3原則は、カルビー向けにつくりました。会社は、いろいろ決まり事をつくりたがるものです。つくれば、必ず問題が起きます。すると、また何かを変えて解決しようとする。変えるときは決まって、より複雑に変える。また新しい問題が起きる。放っておくと、どんどん複雑になっていくんです。

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権限委譲で部下は元気に 会社は活性化
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