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風鈴や三味線… 江戸の工芸品に粋な新風、若者を魅了

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NIKKEI STYLE

21世紀の東京に伝わる江戸の伝統工芸に、新しいテクノロジーや現代感覚を加えた高品質な品々が、外国人観光客をはじめ若い世代に人気だ。購入者が求めるのは現代に不足しがちな潤いのある生活感。長年培った技を磨き、独自の感性で伝統を今によみがえらせる江戸の職人技を訪ねた。

風鈴の技磨きイヤリングに

都営地下鉄・新御徒町駅からすぐ、昔ながらの商店街に入ると風鈴の涼やかな音色が聞こえる。江戸風鈴の工房「篠原まるよし風鈴」(東京・台東)。店の奥では江戸風鈴職人の篠原正義さん(62)が火を絶やすことがない炉の前で溶けたガラスを吹き、昔ながらの江戸風鈴を次々と生み出している。

「江戸風鈴」は、昭和30年代に父の儀治さん(東京都名誉都民)が名付けた。「それまでは単にガラスの風鈴だった。父は優れた職人であるとともにアイデアマンだった」と正義さん。

大学卒業後、一度はサラリーマンになった正義さんだったが、ものづくりへの思いを断ちがたく、退職して父親に弟子入り。実家は兄が継いだので、独立して独自の江戸風鈴のカタチを追求してきた。特に父の一言で思い付いた極小の「風鈴型イヤリング」が評判を呼んだ。今は2人の息子も風鈴職人の道を歩む。

工房では仕事の合間を縫い、土・日曜日などに江戸風鈴作りの体験教室を開いている。外国人観光客などで毎回大盛況だ。「外国の方は失敗しても明るく作業を楽しんでくれる。体験した人々が口コミやSNS(交流サイト)で魅力を伝えてくれるのがうれしい」と話す。

都内荒川区の都電の線路沿いで「三味線かとう」を営む加藤金治さん(72)は三味線の皮張り職人だ。中学卒業後、住み込み修業などを経て1971年に独立した。「当時は民謡ブームで三味線の皮張りの仕事もたくさんあり、数をこなして腕を磨いた」

89年に自分の店を開業。「誰もやっていない面白いことをやろう」と、店舗を使って「ちとしゃん亭」という無料ライブを始めた。初心者もプロも同じステージに立つこのライブは、都電荒川線の車窓からもガラス越しに見え、評判を呼ぶ。

「ちとしゃん亭」最初のゲストはロック三味線で知られた浪曲師・故国本武春さん。「すぐに意気投合し、彼のライブを見に行った。ところが三味線の音はドラムや電気楽器の音に埋もれがちだった」

そこからエレキ三味線の開発が始まり、試行錯誤を経て完成したのがエレキ三味線「夢絃21」だ。90年に国本さん用の1号機が完成。三味線の生音をしっかり再現するその性能はプロを魅了した。

ロゴやのれん 家紋とコラボ

近年は海外からの来客が相当数にのぼる。「今はインターネットがあるから、面白いことをやっていると海外の人も注目してくれる。楽しくて仕方がない」と笑う。娘婿ともう1人の弟子が加藤さんの技を受け継いでいる。

一方、下町風情が残る上野に工房を構える「京源」(東京・台東)の波戸場承龍さん(62)、耀次さん(36)父子は「紋章上絵師(もんしょううわえし)」だ。着物に家紋を手描きで入れる職人だが、伝統的技術にとどまらず、現代のデジタルツールを取り入れ「デザインとしての家紋」の可能性を広げている。「企業のロゴやパッケージデザインのほか、近年は様々なジャンルとのコラボレーションが増えた」と承龍さん。

一例は日本橋地区再開発の核である商業施設ビル「COREDO」入り口にかかるのれんデザイン。また、海外ブランドのバッグや山本耀司さんのパリコレ出品作にも紋のデザインが採用された。

「父はとにかく面白いことをやりたがる。すると色々な人に注目され、結果として仕事が広がる」と話すのは耀次さん。「父を目標にしつつ、自分なりの創意工夫をすることが楽しい」と続けた。

今回話を聞いた職人に共通するのは、厳しく磨いた技を現代というフィールドで生かすことを楽しみ、その結果として海外からも注目されていることだ。来年は東京五輪。江戸の伝統工芸の魅力を、より広く、深く世界の人々に知ってもらうまたとないチャンスになるだろう。

(ライター 大谷 新)

[日本経済新聞夕刊2019年7月27付]

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