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「老後2000万円」あなたの家計の進捗度は? 老後のお金 100年の計(5)

2019/8/4

「考えていない」とした人も、自由回答を見ると決して無関心なわけではないことがわかる。「ねんきん定期便で夫婦合算の年金額がわかっている。基本的にはこの範囲で生活する」(60代前半の男性)、「ライフスタイルによって過不足額は変わるので一概にいえない」(40代の男性)、「2000万円には届かないが、夫が自営業なので少しでも長く働く」(50代女性)という意見があった。

老後資金づくりのために取り組んでいる預貯金以外の資産形成方法を複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「通常の課税口座で株式」で、全体のおよそ半分に相当する349人が該当した。「投資信託」も28%が購入していた(グラフC)。

少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)など、税優遇制度の利用者も多い。2017年からイデコの対象者が専業主婦や公務員にも広がった。「パート主婦こそイデコを使うべき。年収130万円近くで働いているが、イデコの掛け金が所得から控除されるので所得税がかからない」(40代女性)

■取り崩し方も重要

働き方の多様化で、厚生年金に加入しないで働くフリーランスや個人事業主も増えている。これらの国民年金加入者が老後資金を増やすために利用できる制度を表Dにまとめた。国民年金基金や小規模企業共済は、日経生活モニターの5%が利用していた。

人生100年時代には老後資金をできるだけ長持ちさせる「取り崩し方」も重要になる。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は「財務が安定した利回りの高い複数の日本株やREITなどを資産に組み入れるのも一案」と助言する。「定期的に安定したインカム収入を受け取れる」(深野氏)からだ。実際、「株式の配当や株主優待で年金の不足分を賄えるので心に余裕ができた」(70代男性)などの意見があった。

医療や介護など万一の出費で老後資金が大きく目減りしても、シニア世代はリスクをとった運用が難しい。「健康管理に努め、支出を増やさない」(50代女性)、「年金収入の範囲内で生活できるようにする」(70代男性)などの心がけも重要だ。

(藤井良憲)

=おわり

[日本経済新聞朝刊2019年7月27日付]

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