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人事を変えるテクノロジー

2019/7/31

人事を変えるテクノロジー

新卒採用や人事面談にも 技術の活用法探る

――新卒採用でデジタル面接を取り入れたそうですね。

高須氏「18年度の新卒採用で、デジタル面接の『ハイアービュー』というシステムを試験的に取り入れました。学生に自己アピールの動画を撮って送ってもらい、エントリーシートの代わりに使いました。書類だけでは取りこぼしてしまうかもしれない人材を採用する狙いでした」

「約1000人の学生が動画を送ってくれました。『先進的だ』とか『撮り直しできるので、自分で納得する動画ができる』という評価があった一方、『面と向かって話していないので(反応が分からず)、何が評価されているのか判断できない』といった不安も聞かれました。実際の学生の面接突破率は70%台で、それ以前と大きな違いは出ませんでした。微妙な結果だったので19年度はいったん休止してメリットとデメリットを分析します。20年度には、通常の面接とも組み合わせるなどして再度活用したいと考えています」

――いろいろと試行錯誤が必要なのですね。

高須氏「19年には自社で開発したAIを使った人事面談の実験を始めました。上司と部下の1対1の面談を360度の動画と音声を撮れるカメラで記録します。2人の声の大きさや高さ、うなずくタイミングなどを見ます。さらに顔認証で笑顔の頻度をとらえ、相手にかぶせて話し出していないかといったポイントを分析します。まだ研究段階ですが、面談の適切な進め方や話の聞き方、部下の不満を減らし、やる気を高める方法などを探っていきます。開発がうまくいけば、将来の商品化の可能性もあると期待しています」

AIによる人事面談分析のイメージ=リコージャパン提供

――HRテックでめざすところは?

山田氏「当社の仕事の軸は、営業として顧客と向き合うことです。だから人事でも、社員と向き合う対話を重視しています。技術は、それを補完するものです。従業員満足度のデータは本社で見られます。でも本当の課題は、経営陣が直接現場を見て、社員と話さないと見えてきません。課題を見つけ、改善策を考え、それを全社で共有する――。これが人事の仕事の一つです。現場の実態とデータをうまく組み合わせ、会社と社員の成果を高めていきたいです」

(笠原昌人)

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