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相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は、学校で未来形として習うwillについてのお話です。

◇  ◇  ◇

ユウカとスティーブが勤める会社では、毎週上司がある書類に目を通してから作業を進めているようですが、今週はその書類のチェックが済んでいませんでした。どうやら部下たちだけで書類を確認して進めてよいらしい、と小耳にはさんだユウカは、そのことをスティーブに伝えます。しかし上司の性格をよく知っている彼はそれには懐疑的。人任せにするはずがない、と語ったところ、ユウカが何やら思い違いをしたようで……。

それはこんな会話でした。

Steve: Did Greg check the report this week?
Yuka: Not yet. It seems he left it to us.
Steve: Really? That can't be true.
Yuka: Oh? Why's that?
Steve: He will not let others check the report.
Yuka: But I think he left it up to us.
Steve: No, he will always check everything himself.
Yuka: I'm not talking about next week!
Steve: Huh?

日本語に訳すと、次のようになります。

スティーブ:グレッグは今週の報告書を確認してくれた?
ユウカ:まだなの。私たちに任せているみたい。
スティーブ:ほんと? そんなはずないよ。
ユウカ:あら、それはどうして?
スティーブ:彼は報告書のチェックを人任せにしないさ。
ユウカ:でも、私たちに任せてくれたのだと思うけど。
スティーブ:いいや、なんでも必ず自分で確認する人だよ。
ユウカ:私は来週の話をしているわけじゃないわ!
スティーブ:はあ?

この会話では、終わりのほうで唐突にユウカが「来週のことについて話しているのではありません」と言い出し、それを聞いた相手は面食らっています。彼女がその発言をするに至ったのは、少し前にスティーブの言ったHe will not let others check the report.という英語を正確には理解できなかったためです。日本の英語の授業では、willという語を単に「未来」について語るものとして習うことが多いので、その先入観から抜け出すのはなかなか難しかったのでしょう。このセリフを耳にして、ユウカは心の中で次のように考えたのでした。

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