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働き続けるために「学び直し」 資格取得の補助倍額も 雇用保険の給付金拡充

2019/7/30

写真はイメージ=PIXTA

人生100年時代を迎え、定年後も長く働き続けるには「学び直し」が重要となる。そこで国は雇用保険の加入者に資格取得費用の一部を補助する制度を相次ぎ拡充している。給付額が計数百万円になることもあるだけに、有効活用できるかどうかで老後の家計にも大きな差が出そうだ。

従来ある制度の1つが、1年以内の資格取得などを目指す「一般教育訓練給付」。資格学校などでのPC技能、英語、簿記、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士など、4月時点で約1万1700講座が対象となっている。受講費用の2割(上限年10万円)が給付される。

■受講費用の補助割合、10月から4割に

加えて、10月からは早期のキャリア形成に役立ち、資格の合格率が全国平均以上などの基準を満たす講座について、受講費用の4割(同20万円)まで給付する「特定一般教育訓練」という枠組みができる。対象講座は現在審査中で、8月上旬には公表されそうだ。1年以内で取得できる公的な職業資格や、難易度の高いIT(情報技術)の資格取得のための講座などが想定されている。

もう1つ、従来ある制度が時間をかけて専門的な知識を身につける「専門実践教育訓練給付」だ。看護師、介護福祉士、美容師など公的資格、経営学修士(MBA)向け専門職大学院など、4月時点で約2400講座が対象になっている。厚生労働省は講座数を22年度までに5000に拡大する目標を掲げる。

給付は受講費用の5割(上限年40万円)で、3年コースなら計120万円。ただ修了後1年以内に資格取得して就職などすれば、さらに2割(同16万円)が追加支給される。これを加えれば上限は年56万円、3年なら168万円になる。

■4年コースも一部追加

これまで原則1~3年の講座が対象だったが、4月からは新たに4年コースも一部追加された。最大支給額も年56万円の4年分、224万円に増加した。すでに指定されているのは管理栄養士の4年コース1講座だけだが、8月までに追加の講座が発表されそうだ。今後、設立が増える4年間の専門職大学なども指定を受ける可能性がある。

専門実践教育訓練は期間が長いだけに、仕事をやめて勉強する人も多い。このため受講開始時に45歳未満の離職者などの条件を満たせば、生活費として「教育訓練支援給付金」も受けられる。雇用保険の失業手当(基本手当)の期限が切れた後、基本手当の8割を講座修了まで受給できる。

これらの制度の対象はいずれも雇用保険の3年以上の加入者だ。ただ、初回は一般教育訓練、特定一般教育訓練なら1年以上、専門実践教育訓練は2年以上の加入でいい。離職後も原則1年以内、出産や育児などで受講できなかった場合は離職後20年以内は対象となる。対象講座は厚労省のサイトで調べられる。

(編集委員 田村正之)

[日本経済新聞朝刊2019年7月27日付]

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