「私の軸は…」 こなれた就活テンプレートに思うこと

初めまして、U22編集長の安田です。U22は3月に始まった、学生向けの記事を発信するチャンネルです。U22も私も、まだまだ駆け出しではありますが、よろしくお願いします! この編集長Tweetでは、電子版の記事から学生の皆さんに役立ちそうな情報をピックアップし、日々の取材から思う雑感などをつぶやいていこうと思います。

長かった梅雨が明け、ようやく夏休みですね。学生の頃の私はテストが終わったら「夏休みはどこに旅行にいこうかな」などと浮かれていましたが、今の3年生はあまり遊ぶ暇がなく、忙しそうにしています。夏のインターンシップの応募や選考が始まっているからですね。インターンは就業体験と和訳されますが、インターンに参加していないと「本選考で不利になる」と考えている学生が多く、もう夏から就職活動が実質スタートしています。長期化する最近の就活の状況については、下記の記事を参考にしてください。

【電子版記事】
売り手市場なのに長期化? ルールなき就活に懸念
2020年卒の就職活動が大詰めだ。今シーズンは就活スケジュールの前倒しが進んだが、中には長期化の泥沼にはまった学生もいる…

インターンで企業のことをよく知ることができ、チャンスが広がる一方で、長いと1年以上、リクルートスーツを着る生活になります。ちょっと息が詰まりそう。一方で、「就職活動の期間中に学生は成長する」という話をよく人事関係者から聞きます。確かに学生と話していると、1年生と4年生では話し方や雰囲気は違うなあ、というのは実感するところです。

インターンなどで企業と接する機会が増えているからでしょうか。就活を経験した学生は総じて話し方がしっかりしていて本当に感心するのですが、ときどき違和感を覚えることも。話のきっかけぐらいのつもりで、「将来はどんなことやりたいの?」「どういう会社を受けたの?」といった就活っぽい質問をすると、途端にテープレコーダーのスイッチがカチっとON! 「私がこの業界を志望した理由は2つありまして……」と演説が始まるのです。あれ、私は面接官だっけ、と思いつつ、なんとなく背筋を伸ばして聞きます。このテンプレート再生、たいてい5分ぐらい続きます。

学生にSNS(交流サイト)を通じて友達を紹介してもらうときにはこんなことも。フリック入力にまだ慣れない私が「初めまして~」と入力し終わらない間に、数十行のプロフィル的なものが「秒で」送られてくるということが何度かありました。完成されたテンプレートにさすがSNS世代!と思う一方、うーん、人柄がわかったような、わからないような…、複雑な気持ちを抱きます。

先述のレコーダー再生のようなことは面接でよくある場面だそうで、複数の人事担当者は「そういうときはとりあえず全部、気の済むまで話させてあげます」と話していました。要点は簡潔にまとめる、といった話し方をするのはもちろんコミュニケーションの基礎として大事ですが、人事担当者も、必ずしもそういうことを求めていないのではないかな、という気もします。

働き方改革や通年採用などを先駆けて実施したユニリーバ・ジャパン・ホールディングスでは、就活生の自己アピールがテンプレート化していることに違和感を抱き、なんとエントリーシート(ES)を廃止したそうです。詳しい経緯は下記の電子版記事で読んでみてください。

【電子版記事】
通年採用で何が変わる? ユニリーバに聞く
経団連と大学側が通年採用の導入を推進していくことで合意したことを受け、企業も採用戦略の見直しを迫られている…

記事中でユニリーバの人事担当の方がこんなことを話されています。「(今の日本の就活では)本来必要のないことに頭を悩ませ時間を使っています。これはよくありません。自分の未来は365日いつでも考えてほしいし、いつでも変えられる」

自分の未来を考え続ける、当たり前のことなのですが、これを実践するのは大人だって難しいです。先述のようなテンプレートを作るのが悪いことではないですが、更新し続けてほしい。U22では、そのお手伝いができればと思っています。

(安田亜紀代)