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本質思考を極める 実践トレーニング

原因解明したつもりが問題再発 仕事の対症療法のワナ (3)浅い分析

2019/7/30

画像はイメージ =PIXTA

「本質的な問題解決を妨げる9つのワナがある」。長くコンサルテンィグファームでマネージングディレクターなどを務めた米澤創一・慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授はこう指摘する。9つのワナのうち、思考習慣や思考スキルの不足から陥りがちなワナ5つを、同氏の近著「本質思考トレーニング」(日本経済新聞出版社)から紹介する。3回目は「浅い分析」というワナだ。

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この「浅い分析」は、予実差異(現状とあるべき姿とのギャップ)が把握できたときに、その差異自体を問題の本質と勘違いしたり、そこまで短絡的でないにしろ、予実差異を生み出した根本原因解析が不十分で、問題の本質にたどりつかなかったりすることです。

当然、打たれる施策は的外れなものになる可能性があります。また、根本原因にはたどりついていないため、一見、問題が収束したように見えても問題が再発する可能性があります。

「対症療法」では、根本解決しないというのは、まさにこの「浅い分析」の症状です。

■浅い分析のケース1 クレーム対応の手間を減らしたい
ある部署の売上が計画を大幅に下回っている。
原因を調べてみたところ、顧客からのクレームが頻発していた。部員はそのクレーム処理に多大な時間をとられてしまっていて、本来行うべき営業活動に時間を割けていないことが判明した。
少しでも営業活動に時間を割けるように、クレーム処理にかかる時間を短縮するためのクレーム対応マニュアルを整備することになった。

確かにクレーム処理にかかる時間が短縮されれば、いまよりは営業活動に時間を割くことはできるかもしれません。

しかし、この問題の本質は「クレーム処理に時間がかかりすぎる」ということよりも「クレームが頻発していること」です。

顧客からのクレームがなぜ起きているのか、そのクレームをなくすこと、もしくは減らすことができないのかを考えないと本質的な問題解決には至りません。

クレームが起こる原因を除去できない限り、クレーム対応の時間は発生し続けるのですから。

せっかく予実差異を正確に把握しても、根本原因解析が不十分だと、対症療法にとどまってしまう。
問題の根本原因が、ある特定の個人であることは稀(パワハラ、セクハラなどは例外)なため、人を交替させても問題が解決するとは限らない。

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