出産育児もらえるお金を再点検 育休とるなら月末からいまさら聞けない大人のマネーレッスン

2019/8/1

育休の取得は可能であれば月末に

男性が育児休業を取得するとき、タイミングによって、社会保険料の免除額が変わることがあります。調整が可能であれば、「月をまたいで取得する(月末から取得する)」ことをおすすめします。

というのも、育児休業期間の社会保険料免除は、月単位で日割り計算はしません。そして「育児休業を取得した月から育児休業を終了した日の翌日の属する月の前月まで」と定められているからです。

たとえば、7月1日から7月14日まで、14日間の育児休業を取得した場合、免除の対象は前月の6月分までになります。しかし、6月は育児休業を取得していませんから、社会保険料は免除されません。

これに対して、1日だけ開始日を前倒しして6月30日から7月13日まで、といったように月をまたいで育児休業を取得すると6月分の保険料が免除されます。同じ14日間の育児休業でも、タイミングによって免除されたり、されなかったりすることがあるのですね。

よって、育児休業を取得する場合、可能であれば、月末から月をまたいで育児休業を取得するのがいいというわけです。

極端なケースですが、月末の最終日に育児休業を取得すれば、たった1日の育児休業でも、1カ月分の社会保険料が免除になります。先述した「育児休業を取得した月から育児休業を終了した日の翌日の属する月の前月まで」という運用ルールがあるためです。

ただし、休日に育児休業は取得できませんので、月末最終日が休日である場合は注意して下さい。

また、ボーナスが支給される月に育児休業を取得すれば、ボーナスに掛かる社会保険料も併せて免除になります。仮に、7月にボーナスが支給される場合は、8月まで育児休業を取得するとよいでしょう。前月の7月分のボーナスに掛かる社会保険料も免除を受けることができます。

勤務先を通して申請 出産前に確認を

これらの手当金・給付金、社会保険料の免除は、勤務先を通じて、健康保険組合やハローワーク、年金事務所に申請されます。支給期間、支給額など、わからないことがあれば、勤務先に相談しましょう。

出産後、そのまま育児休業を取得する場合は、「産休」と「育休」それぞれ別の申請が必要になります。産休前に、勤務先へ手続きの方法を確認しておくとスムーズでしょう。育休を延長する場合も、手続きが必要になりますので、勤務先へ確認してください。予定より早く復職する場合は「健康保険・厚生年金保険育児休業等取得者終了届」を提出します。

さて、ここまで紹介した制度は、会社に勤めている人を対象とした支援でした。近年増えている自営業者やフリーランスに、こうした支援はありません。

19年4月から、産前・産後の4カ月間の休業中のみ、国民年金保険料の免除の対象となりましたが、それ以降、育児で休業する場合でも免除にはなりません。国民健康保険にも免除の仕組みはなく、休業する際はシビアに考えて備える必要があります。

井戸美枝
ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員。確定拠出年金の運用に関する専門委員会委員。経済エッセイストとして活動。近著に「5年後ではもう遅い!45歳からのお金を作るコツ」(ビジネス社)、「身近な人が元気なうちに話しておきたいお金のこと介護のこと」(東洋経済新報社)、「100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!」(集英社)、「届け出だけでもらえるお金」(プレジデント社)など。