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ポイント賢者への道

スマホ決済で大規模還元 消費増税にらみ本格化へ ポイント賢者への道(124)

NIKKEIプラス1

2019/7/31

写真はイメージ=PIXTA

最近、各種のコード決済サービスで「20%還元」などというキャンペーンが相次いでいます。こうしたキャンペーンは従来、期間を数日から長くて1カ月程度に限るのが通常でした。高額の還元を続ければ負担が重くて赤字になりかねないからです。ところが最近の事例を見ると様相が少し異なります。例えば楽天ペイは7月に始めた最大5%の還元キャンペーンを9月末まで続ける予定です。この「9月末まで」という期限が今後、各社がキャンペーンを続ける目安となりそうです。理由は10月1日に予定される消費増税です。

政府は税率を8%から10%に引き上げるのに伴い、キャッシュレス決済の利用者を対象にポイントを還元する施策を始めます。消費落ち込みを防ぐための対策ですが、これは決済事業者にとって利用者を獲得する好機です。「現金よりお得」とアピールして利用者を増やすため、増税時期に向けて還元キャンペーンを展開するとみられます。

消費者もそろそろ政府の還元策の中身を知っておいていい時期です。政府によると、商店街の小売店や飲食店のように特定の中小店舗(中小・小規模事業者)でキャッシュレス決済をした場合、支払額の5%相当が還元されます。原資は政府の補助金で、決済事業者を通じて受け取ります。

対象期間は2020年6月末までの9カ月間です。消費税率が2%上がっても、5%還元を受けられれば実質的な負担はむしろ軽くなります。コンビニなど大手企業のフランチャイズ店では還元率が2%と低めになりますが、それでも増税負担を打ち消せます。

9月末にかけて民間による還元キャンペーンが本格化し、10月以降は政府がいわば官製キャンペーンを始める流れとなります。次回は還元策についてもう少し詳しく見ていきます。

菊地崇仁
北海道札幌市出身。1998年に法政大学工学部を卒業後、NTTに入社。社内システムやLモードの料金システムの開発などに携わり、2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。06年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、11年3月代表取締役に就任。一般からプラチナまで、57枚のクレジットカードを所有。

[NIKKEIプラス1 2019年7月27日付]

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