米国の女性起業家それぞれのリアル 言葉と姿で伝える三省堂書店有楽町店

2階のビジネス書売り場に加え、1階のビジネス書コーナーでも1段を使って面陳列する(三省堂書店有楽町店)
2階のビジネス書売り場に加え、1階のビジネス書コーナーでも1段を使って面陳列する(三省堂書店有楽町店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に一度訪れている準定点観測書店の三省堂書店有楽町店だ。息の長い売れ筋の強さは相変わらずだが、発売から1~2カ月の本で好調な売れ行きが続くものも出始め、店頭には活気が出ている。そんな中、書店員が注目するのは、様々な仕事で活躍する多様な米国の女性100人超へのインタビューを美しい写真とともに収めた、ひと味違ったビジュアルブックだった。

「世の中にはもっと多くの選択肢」を視覚化

その本はグレース・ボニー『自分で「始めた」女たち』(月谷真紀訳、海と月社)。著者はクリエーター向けのウェブサイト「Design *Sponge」を運営する米国の女性編集者、コラムニスト。本の中身は、19歳から94歳まで、クリエーティブ系のビジネスで独立して働く女性112人へのインタビュー集だ。

「あなたへ」と題された前書きで著者は書く。「ビジネス系のイベントや本に登場する女性起業家はたいてい、若い白人女性たちばかりです。でももちろん、実際はそうではありません」。「世の中にはもっとバラエティに富んだ、もっと多くの選択肢があることを知ってほしい」。その願いから生まれたのが本書だ。

見開き2~4ページで1人を取り上げる。ページを開いてまず目に飛び込んでくるのはインタビューされた本人の、1ページから見開き1ページ半を占める大判の仕事場でのワンショットだ。印象的な言葉を抜き出した見出しに名前と職業が続き、インタビューが始まる。人によっては仕事場の個性的な壁面や道具類を写した数葉の写真が加わる。インテリアのアートブックを開いているような雰囲気だ。

「ことば」と「姿」を提示

「見たことがないものにはなれない」。「だから私はこの本で、インタビューした女性たちの『ことば』と『姿』の両方を『見て』もらうことにしました」というのが、著者の編集意図だ。

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