実り始めたスマート農業 産地格差や価格下落に課題

専修大学の徳田賢二名誉教授は「スマート農業は一定の規模がある地方産地で普及する」と予測します。相対的に競争力が弱い産地との格差は広がり、追い込まれる地域が出てくる可能性があります。徳田氏は、有力産地の生産力が高まると供給過剰となり、市場価格が下落する事態を懸念しています。スマート農業の負の側面にも目を向けつつ、じっくり育てていくしかないでしょう。

竹本田持・明治大学教授「農業とは何かを考えるとき」

農業の現場に先端技術を取り入れる「スマート農業」は、日本の農業の救世主になれるでしょうか。川崎市との連携に取り組んでいる明治大学農学部の竹本田持教授に聞きました。

――明治大学と川崎市との連携の現状はどうでしょうか。

竹本田持・明治大学教授

「明治大学は様々なレベルで地域連携に力を入れています。キャンパスの所在地との連携は大きな柱です。生田キャンパス(川崎市多摩区)は川崎市との連携を深めています。もともと大学の付属農場が千葉と山梨にありましたが、それを統合・廃止して川崎市に黒川農場(麻生区)を建設したのです。かなり起伏があった土地をなだらかな農場に変える大規模な工事をするときに、地元の理解を得る必要があり、話し合いの場を持ちました。農場が完成すると、高い技術を持つ教員が数多く着任し、教員と地元農業との連携が活発になりました」

「連携の結果、『採りっきり栽培』と呼ばれる新しいアスパラガスの栽培法、菜の花に似たアブラナ科の野菜である『のらぼう菜』の栽培法、IT(情報技術)を活用した水分と肥料の管理システム『ゼロアグリ』などが生まれています。私自身は農学部の教員ですが、副学長として明治大学社会連携機構の機構長を務めています。同機構の傘下に地域連携推進センターがあります。大学全体が組織として川崎市と連携する場合は、私が担当しています。もっとも、大学と地域との連携はそれほどすっきりしたものではなく、非常に多面的に付きあっています」

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