WOMAN SMART

白河桃子 すごい働き方革命

社長も経験 リクルートの男性育休は平均10.8日 清水淳リクルートコミュニケーションズ社長(下)

2019/8/7

(左)清水淳氏。1989年4月にリクルート(現リクルートホールディングス)に入社、2013年4月リクルートコミュニケーションズ社長に就任。18年7月にリクルート執行役員に就任と同時にリクルートテクノロジーズ社長も兼務(右)白河桃子さん(写真:吉村永、以下同)

リクルートコミュニケーションズは2016年に男性社員の育児休暇を必須化した制度を導入した。前回の「男性育休必須化から3年 リクルートの女性が変わった」では制度の狙いと導入後の状況について詳しく伺った。引き続き評価やキャリアへの影響、自身の育休体験、会社として今後の目指すところなどを清水淳社長に聞いた。

■社長自身にも育児休暇の取得経験

白河桃子さん(以下敬称略) 制度導入後の男性社員のマインドはいかがでしょうか? 若手社員からよく聞かれるのは、「育休は取ってみたいけれど、キャリアに傷がつくのでは」という不安です……。

清水淳社長(以下敬称略) キャリアへの影響について実際どうなのかという検証については、制度開始からまだ年数がたっていませんので、はっきりとは申し上げられないのですが、実は私自身も15年前に育児のために1カ月間の休みを取った経験があるんです。

白河 社長が育休取得経験者であるということは、何よりも説得力がありますよね。そのご経験は、社内でも積極的に発信されているのですか?

清水 そうですね。自分の体験を語るとともに、「子育てに参加することでキャリアに傷がつくことはないですよ」というメッセージはこまめに言ってきました。

白河 しかし、15年前はまだ休める風土もなかったと思うのですが、通常の育児休業制度を使われたのでしょうか。

清水 いえ、当社にはもともと、3年に1度、4週間の休みが取れる「ステップ休暇」という制度がありまして。うちは夫婦共に実家が遠く、次女が産まれるタイミングでは長女が小学生でしたので里帰り出産も現実的でなく、私が子育ての担い手になる必要があったんです。

とはいえ、当時は制度を使う人もごく一部でほとんどが休暇消化の代わりに買い上げとして支給される30万円で「休みをとったつもり」にする社員がほとんど。休むとしても1週間未満のケースが大半でしたので、上司に「1カ月休ませてください」と相談したときは、「えー!」とのけぞられました。

白河 15年前といえば、リクルートはハードワークで有名な時代でしたよね。当時の役職は?

清水 リクルートの求人系の事業を統括する部門のマネジャーでした。ただ、なぜか「休むことがキャリアの足かせになる」という心配はあまりありませんでした。必要に迫られていたからでしょうね。

白河 一定期間、育児に深く関わったことで、ご自身に変化はありましたか。

清水 やはり感覚は相当変わったと思います。1番は日中の子どもの様子を見ることで、学校生活や友達関係についてリアルに感じ取れるコミュニケーションができたこと。それまでの働き方は本当にひどくて、月間労働時間は平均で250時間くらいだったと思います。土日もどちらかは出るというひどい状態で……。妻は専業主婦ですが、日々の負担も全然理解できていなかったと反省しましたね。産褥(さんじょく)期のつらさを間近で見たことも、その後の考え方に大きく影響したと思います。出産によって女性が受けるダメージは、1.5リットルのペットボトルを持つこともできないほどの大きさなのだと分かってからは、妻に代わって買い物も率先してやるようになりました。

WOMAN SMART 新着記事

WOMAN SMART 注目トピックス
日経doors
婚活でやってはいけないこと 高学歴女子が陥りがち
日経DUAL
手軽なツールSNS 疲れずに仕事人脈をつくるコツ
日経ARIA
東川町に単身移住。不安、不便、不足だらけでも毎日
日経doors
『サードドア』著者バナヤン氏(下) 不安と友達に
ALL CHANNEL