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マツダCX-30 ゆったりキャビンで軽快な走り

2019/8/11

マツダの新型クロスオーバー「CX-30」を国内発売に先駆けて試乗した(写真:マツダ、以下同)


「CX-3」と「CX-5」の間に割って入る、マツダの新型クロスオーバー「CX-30」。国内での発売に先駆けてドイツ・フランクフルトで試乗した筆者は、激戦のSUV市場でも輝ける完成度の高さを感じたのだった。

■理由あってのディメンション

世界中で拡大しているコンパクトSUV/クロスオーバー市場での戦いを有利に進めるためには、現在の持ち駒であるCX-3だけでは足りない。マツダがこの市場にCX-30を投入した理由はそこにある。CX-3のスタイリッシュさ、コンパクトさは独身のユーザーやシニア層には支持されたが、ボリュームゾーンであるヤングファミリー層にはうまくリーチできずにいたというのがマツダの分析。CX-30は、まず何より、彼らの求める機能性や扱いやすさに重きを置いて生み出された。

ボディーサイズひとつとってみても、この狙いを明確に具体化している。4395mmの全長は、ヨーロッパで主流の全長4500~4700mm近辺のDセグメントカーが縦列駐車している空きスペースに容易に滑り込めるようにと決定されたという。全幅1795mmは、日本市場でのコンパクトカーの実質的な、あるいは感覚的な上限だというだけでなく、地域問わず都市の狭い路地で難なくすれ違いできる大きさとして、そして全高1540mmは立体駐車場に入る高さとして、それぞれ明確な目的をもって導き出されているのである。

ボディーサイズは全長×全幅×全高=4395×1795×1540mm。ルーフ高は「マツダ3」よりも10cmほど高いが、多くの立体駐車場を利用可能

このサイズの中で、まずキャビンには大人4人が快適に過ごせるだけの空間が用意された。乗り降りの容易な高い着座位置を持つ前席は、CX-5と同等のカップルディスタンスが確保され、ゆとりを持って座ることができる。後席も、身長177cmの筆者が座ってなお、膝の前や頭上に十分な余裕がある。マツダ3より70mm短いホイールベースを、殊更に意識させられることはない。

しかも荷室は、日本で主流のA型やB型だけでなく海外の大型ベビーカーまで簡単に積み込める広さ。幅1mの棚などを両手で積み込める1020mmの開口幅を確保し、重い荷物をかがまずに積み込めるよう開口部下端の高さを731mmとするなど、本当に細部まで配慮がいき届いている。電動のパワーリフトゲートも選択可能だ。

■かたちと機能の巧みな融合

こうしてユーティリティーを重視しながらも、CX-30のデザインがいい意味でそのことを強く意識させないのは、さすが今どきのマツダ車である。むしろ、そうした予備知識なしで見たら、まずはそのスタイリッシュさこそ際立ってみえるに違いない。

マツダ3に続いて移ろいゆく面の美しさが際立つサイドビューは、実はルーフ後端を大きく下げることなくフォルムをスペシャルティー的に見せている。サイドシルやフェンダーを幅広のクラッディングパネルで覆うことでボディーを天地に薄く見せているのも効いているのだろう。計算、とても巧みである。

エクステリアデザインのコンセプトは「SLEEK & BOLD」。伸びやかな美しさとSUVとしての力強さを融合させたとアピールされる

ほかにも、リアウィンドウは寝かされているものの、その下のリアゲート部分をあえて後方に突き出すかたちとして荷室容量を確保していたりと、エモーショナルな部分と機能性をどう両立させるかという点では、他の追随を許さないレベルのこだわりを感じさせる。マツダ3からまた新たなフェイズに入ったマツダデザインの勢いは本物だとあらためて実感させられた。

インテリアも、十分な空間があるだけでなくデザインの洗練を感じる。操作系やスイッチ類が集中する運転席まわりから、助手席の方向にかけてスッキリと収束していく造形、細いAピラーのおかげで良好な視界が、良好なドライビングポジションと相まって、とても居心地が良い。本当の意味で落ち着ける空間づくりとは、最先端のテクノロジーがこれみよがしにアピールされていたり、イルミネーションが輝いたりアロマが香ったりということではない、と思わせる。

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