生前贈与 最も節税効果が大きい方法はどれ?相続税の基礎(3)

夏の日が傾きかけた頃、筧家のダイニングルームに夏季講習から帰宅した満が入ってきました。「友達が医学部へ行きたいって言い出してさ」。部屋にいた幸子と良男が顔を見合わせます。まさか、満も――?

筧(かけい)家の家族構成
筧幸子(48)良男の妻。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ。
筧良男(52)機械メーカー勤務。家計や資産運用は基本的に妻任せ。
筧恵(25)娘。旅行会社に勤める社会人3年目。
筧満(15)息子。投資を勉強しながらジュニアNISAで運用中。

筧満 医学部って学費が高いんでしょ?

筧良男 まあそうだな。特に私立大学はかなり高額だよ。

 友達にお金持ちじゃんって言ったら、おじいさんが払ってくれるんだって。「相続税対策だよ」って言ってた。

筧幸子 あら、大人びたお友達ね……。財産がたくさんある人が亡くなると、それを相続する人が支払う相続税が高くなるの。だから生きている間に一部を子どもや孫にあげて財産を減らして、その分相続税を少なくすることを生前贈与というの。

 でも、お金もらうとやっぱり税金がかかるでしょ。

幸子 そう、贈与税ね。でも、父母や祖父母みたいに扶養義務のある人が子や孫に生活費や教育費を払うなら、そもそも税金はかからないの。そうでなくても、1人につき毎年110万円までの贈与なら非課税よ。

良男 つまり毎年110万円ずつあげれば、税金を払わずに財産を引き継げるわけだね。