「107歳まで生きる時代」に必要な投資の心得積立王子のヤング投資入門(25)

中野さんは「今後急速に少子高齢化が進む日本によって立つならお金を世界に働きに出すことが欠かせない」と説く
中野さんは「今後急速に少子高齢化が進む日本によって立つならお金を世界に働きに出すことが欠かせない」と説く

私も参画していた金融庁審議会の市場ワーキング・グループが作成した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書をきっかけに、世間が騒然となった「老後2000万円問題」。公的年金の受給水準が今後長期的に調整されていくという記述から、一事例として示した1300万~2000万円不足の金額が切り取られて独り歩きし、年金制度への不安が再燃する結果になりました。

個々人で事情が大きく異なる不足額のメドの提示や注意喚起の方法論などに議論の余地はあるかもしれませんが、ヤングの皆さんにとって真に「人生100年時代」を見据えて生き抜いていくため、資産形成に関する意識が不可欠であることには間違いありません。

2007年生まれの日本人の平均寿命は107歳?

リンダ・グラットン氏のベストセラー「ライフシフト 100年時代の人生戦略」によると、2007年に日本で生まれた子どもの半分は107歳まで生きると想定されるそうです。21世紀を通じてこの日本で生きていくことを前提にするならば、戦後昭和の高度成長期を生きた親世代とは全く違う、この国が直面している社会構造を認識した上での覚悟が必要です。

これからの日本は例の報告書のタイトル通り、少子高齢化が劇的に進展することで人口減少が本格化し、経済活動の担い手となる労働生産人口が減り続けることから、経済成長は今まで以上に一層困難になるでしょう。そして高齢者が増え続けることから社会保障コストも年々うなぎ上りに増加していきます。

公的年金制度は決してなくなることはないとしても、私たちがこれまで享受してきたような豊かさで長寿を全うしたいと思うならば、長期資産形成の実践は必要不可欠です。

ごく当たり前の「自助」

この報告書の中心メッセージは、年金という「公助」に加え、自らでお金を育てていくという「自助」を付加して行動することで、各人が納得できる人生づくりを積極的に実現していきましょう――という、至極真っ当な内容です。そのことを、ヤングの皆さんにはぜひとも知っていただきたいのです。

今までこのコラムで学んできた通り、「自助」のための資産形成に関して政府が仕組みとしてサポートしてくれる制度が「iDeCo(個人型確定拠出年金)」であり「つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)」であり、報告書の中でも繰り返し両制度の活用が強調されています。

もうひとつ、報告書でも再三登場するフレーズが「長期・積立・分散」という投資行動3原則の実践です。とりわけ資産形成層といわれるヤング世代には早期からその必要性に気付いて少しずつでも行動開始することを強く勧奨しているのです。