2019/8/5

I君の就活を聞いて「意識高い」と思うでしょうか? 私はI君のような就活は今後増えてきて、どんな学生にも参考になる事例だと思っています。その理由はリファラル採用です。

脱・一括採用の動き、リファラル採用

法政大の田中教授は「選考や就活の方法が変わる」とみている

リファラル採用とは、社員が知人・友人・後輩を紹介・推薦し、採用選考を進める手法です。リファラル採用が普及している米国では、I君のように社会人コミュニティーに出入りする学生が多いと言われています。

企業側の採用課題からも考えてみましょう。一括採用によって引き起こされている問題の1つは、入社後に「イメージしていた会社や働き方と異なる」と思って辞めていくミスマッチです。ミスマッチ解消のために様々な企業がインターンなどで学生との接点を早めに持とうと努力しています。さらに今後、採用時期の自由化が本格的に進めば、優秀な学生を囲い込むために早期化は顕著になるでしょう。

とはいえ、企業も年中、説明会やインターンをすることは現実的に難しいです。しかも今は売り手市場。普通にやっていてもいい学生がなかなかきてくれませんから、採用の「質」も向上させないといけない。一人ひとりのマッチングの精度を上げるために有効な手段の1つとして注目されているのがリファラル採用というわけです。最近ではクレディセゾンや三井不動産、JTなど大企業でも導入が相次いでいます。

ではリファラル採用とはどういうもので、就活はどう変わるのでしょうか。リファラル採用の領域で事業を展開するリフカム(東京・渋谷)の清水巧社長に聞いてみました。

――最近、就活ルールが見直され、脱・新卒一括採用の動きがあります。リファラル採用とどう関係していますか。

私は一括採用自体が悪いとは思っていません。ただ、一括採用方式ではベルトコンベヤーの上に乗って、就職活動が始まるのを待っている学生が少なくない。自分が何をしたいのか、どんな会社が向いているのかを考えないまま、いきなり就職活動に直面してしまうのが問題だと思います。

一括採用の仕組みがない米国やアジアでは、学生がインターンに参加して会社選びをするのが一般的です。一括採用で学生が守られていないからこそ、それぞれが自分の就職について早くから真剣に考え、主体性が育まれています。そうした国では、新しい就職・採用の手段として、リファラルが進んでいる傾向にあります。米国では約30%がリファラル経由で入社しています。一方、日本は米国の3分の1の11%しかありませんが、徐々に増える傾向にあり、学生の動き方も変わっていくでしょう。

米国の学生はどうしているかと言うと、大学1年生の頃からどの企業にインターンするかを考え始め、大学の先輩や同期と情報交換をしたり、口コミサイトを調べたりします。インターンといっても人気企業は選考ハードルがとても高いので、知り合いからの紹介が強い。その意味で、どのコミュニティーに属するのか、誰と知り合いになるのかなども就職にとって重要になっています。

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「学歴フィルター」は残る?
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