一人用薫製鍋を食べ比べ 台所番長「味の違いに驚き」合羽橋の台所番長が斬る! いまどきの料理道具を徹底比較

薫製も1人で楽しむ時代が到来。左はドウシシャ「LIVE もくもくクイックスモーカーS」(飯田屋店頭価格税別2980円)、右は長谷園「いぶしぎん ミニ」(希望小売価格税別7000円)。(写真:菊池くらげ、以下同)
薫製も1人で楽しむ時代が到来。左はドウシシャ「LIVE もくもくクイックスモーカーS」(飯田屋店頭価格税別2980円)、右は長谷園「いぶしぎん ミニ」(希望小売価格税別7000円)。(写真:菊池くらげ、以下同)

合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。今回はホームパーティーやひとり飲み、アウトドアでも活躍するミニサイズの薫製鍋を検証する。

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こんにちは、飯田結太です。今では定番料理、定番のおつまみとなった薫製料理。ここ数年さまざまな薫製鍋が発売されてきましたが、最近の“お一人様食事”ブームを意識して、ついに1人用の薫製鍋が登場しました。そこで、人気の1人用薫製鍋2つを実際に使って比較します。

合羽橋の老舗料理道具店、飯田屋の6代目、飯田結太氏

料理の種類のなかで「薫製料理」は趣味嗜好品という位置づけでした。みんなが集まったときなどに楽しむ少し特別な料理ですね。しかし、そういうイメージは変わり、今は手軽に楽しめる料理として人気が出ています。

最初に、薫製の種類について簡単に説明します。薫製には、温薫(おんくん)、冷薫(れいくん)、そして熱薫(ねつくん)の3種類があります。

■温薫

30~80度の温度で約1~6時間いぶすもの。箱型のスモーカーを使うのが一般的で、煙が大量に出るため、屋外や専用の薫製小屋で行います。保存期間は3日から1週間程度。

■冷薫

15~30度程度の低温で24時間以上の時間をかけていぶしていく方法。薫製時間を長くするほど、食材の水分が少なくなり、保存可能な期間も長くなります。1カ月以上を持たせることも可能です。スモークサーモンやビーフジャーキーなどはこの方法で作られているものが多いですね。

■熱薫

家庭でも簡単にできて人気がある方法です。80~100度前後の高温で、5分から1時間くらいいぶします。食材には水分がほどよく残っているため、色艶もよく、ジューシーな仕上がりになります。ただし、この方法は長期保存ができないので、すぐに食すための薫製料理です。

料理道具として数多くの商品が出ているのが、熱薫用の鍋です。2年ほど前まで、薫製鍋は直径25センチ前後の大きなサイズが一般的でした。しかし最近増えてきたのは、どんぶりくらいのサイズのもの。これは、料理道具全般に起きているムーブメントからきているようです。

■1人鍋はいまや常識、薫製も1人で楽しむ文化に

最近の料理道具は大型の道具がめっきり少なくなりました。ここ数年、業務用として求められているのは小さな道具ばかりで、小型料理道具の売り上げは右肩上がりです。特に顕著なのが鍋類。それは、1人鍋文化が影響しているようです。今回取り上げる薫製鍋を初めて見たときは、「とうとう薫製料理にまで1人鍋文化が来たか」と思ったほどです。

長谷園の薫製鍋「いぶしぎん」3種類。左は大(希望小売価格税別1万5000円)、右は小(同1万円)。真ん中は最近人気のあるミニ(同7000円)

小型料理道具の需要が高まった理由のひとつは、小さい道具にもかかわらず、機能性が高くなったことに加え、調理過程を楽しめるようにフタがガラス製になるなど、エンターテインメント性も盛り込まれているから。これによって、レストランなどでは、鍋をテーブルに運んでお客様の目の前で調理したり、お客様自身が参加・体験できるなどの要素を盛り込むことができるのです。目の前で料理が出来上がっていく様子を見られるのは楽しいですよね。

1人鍋文化が世間に浸透するようになってから、もう一つ面白い動きがあります。それは、一般家庭でも、固形燃料で鍋を楽しむ人が増えてきたことです。以前は、旅館の食事に使われることが多かったのですが、最近は、家庭で使うために購入する人が増えています。1人鍋用の固形燃料は大体20分ほどで火が消えるので、カセットコンロのように火加減を確認する必要もなくちょうどいいんですね。

次ページからはこのような流れを代表する1人用の薫製鍋を実際に使って検証します。

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