オヤカクより伴走者に 就活で試される親子の信頼関係今どき親子の就活事情(3)読者投稿編

2019/7/26

では、具体的に何を示唆するのだろうか。社会の価値や基準は時とともに変化する。「その時代のはやりの価値に自分のアイデンティティーを置いて自らを失うことにストップをかける。それが親が子どもに示せる、あるいは示すべき大きな役割だと感じています」と安西さん。

その上で、「親は『就職は自分の決めたいように決めなよ』といかにも子どもの自主性を尊重するふりをしながら、『今のビジネスの価値観はよく分からないから口出ししない』と逃げるのではなく、いつでも必要なタイミングで大きな視点から『口出しができる』準備を怠らないことが親の心がけになります」と強調している。

■リクルートキャリア就職みらい研究所 増本全所長の話

親が子の就活に親が強い関心を示すようになったと感じたのは、10年ほど前からだ。合同説明会の問い合わせの電話が親から直接かかってくるようになった。最近では、大学などが開く講演会にも、参加する親が増えていると感じる。特に最近は父親の参加も増えているように思う。今のU22世代と、その親世代では、大学進学や就活をめぐる環境が様変わりしている。現在50歳前後の親世代では大学に進学したのは4人に1人だったが、今は半分以上が大学に進学する。就職する業界も、以前に比べメーカーが減ってサービス業の比重が大きい。

また就活地図も、以前に比べて複雑になっている。大企業が優位でわかりやすかった昔に比べ、ベンチャーが増えた今は選択肢が幅広い。特に戸惑うのは母親かもしれない。いわゆる女性総合職がまだ限られていた時代に就職した世代だから、特に娘の就活は全く未知の世界に見えるだろう。こうした時代の違いをふまえて、私は次の2点を親世代に伝えたい。まず、自分の世代の当たり前は、子世代の当たり前ではないということ。自分にとっての正解を子どもに話しても、かえってマイナスに働く可能性もあることを肝に銘じたうえで、子の就活に向き合ってほしい。

もうひとつは、子どもの価値観を尊重する伴走者であってほしいということだ。親は子どもにとって、最も長く一緒に時間を過ごしてきた唯一無二の存在。就活に臨む子どもが「自分は何者で何をしたいのか? なぜそう思うのか」という内省で悩んだら、ぜひ言語化のサポートをしてあげてほしいと思う。例えば、「どの先生も通知表にこう書いてくれていた」とか、「中学で人間関係で悩んだけれど、こうやって乗り切っていた」「高校を選ぶときに、こんなことを言っていた」など、親だから知っていることがたくさんある。そうした話をどんどん子どもにフィードバックすれば、子どもが自分を見つめ直すきっかけになるはずだ。
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(藤原仁美 桜井陽)

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