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オヤカクより伴走者に 就活で試される親子の信頼関係

今どき親子の就活事情(3)読者投稿編

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NIKKEI STYLE

 就職活動の現場で、ここ数年当たり前のように飛び交う「オヤカク」(「親に確認」の略)という言葉がある。オヤカクの結果、学生が内定を辞退するケースが増えているという。背景を探ると、親子関係の変化や就職に対する価値観の移り変わりなど様々なものが見えてくる。学生が脱皮して社会に出るとはどういうことなのか、一緒に考えてみませんか。

「オヤカク」についてコンテンツプラットフォームのnoteで意見を募ったところ、学生、親の立場から様々な意見が寄せられた。今回は、いくつかをピックアップして紹介する。

その前に、言葉の定義をあらためて整理したい。「オヤカク」は当初、企業の人事担当者の間で「内定者の親に企業が入社意向を確認すること」という意味で使われてきた。子どもが就職先を決める際の親の影響力が近年、大きくなっており「親の確認」なしに内定を出すことがリスクにもなるからだ。ところが、親が自分の子どもの就職先を確認し、場合によっては変えさせる意味での「オヤカク」こそ目立つ。企業、親、子どもの関係は複雑に絡み合っている。

「一人の自立した人間としてみてほしい」

 大学4年生で来年就職予定の天野さんは、大学の専攻とは異なる分野に進むことを決めた。「親は驚いていましたが、自分の選択を尊重してくれました」と振り返る。オヤカクの記事を読み、「子どもの選択を尊重してあげたほうがいい」とあらためて思ったという。「オヤカクをしてしまう親御さんは、子どもを愛するあまり心配でそうしてしまう方が多いのかもしれません。しかし子供だって長い期間就活をしてきて、それなりに考えて結論を出しています」と訴える。

その上で、「就職というイベントをきっかけに、我が子を『自分の子ども』というよりは、一人の自立した人間としてみてはどうでしょうか。子どもが出した結論に対しては、それを否定しねじ曲げることはしないでほしい。子どもを一生、『子ども』のままにしてしまうよくない行為だと考えます」と訴えた。

企業による「オヤカク」の倫理的問題

大学の同期の話を披露してくれたのはNinjaさん。東証1部上場の企業から内定を得た同期は、その後も就活を続けるために内定を承諾するかどうかの返事をはぐらかしていたという。「採用担当者から心理を見透かされていたようで、親に内定の受諾を確認したい旨の連絡があり、結局(同期の)彼が折れて受諾することとなりました。当時彼は採用担当者と親の間に挟まれ、かなり心理的に疲弊していました」と明かす。

Ninjaさんは、「採用担当者と内定者との間で心理戦の様相を呈していて、採用担当者が内定受諾を得るために有利になる材料として親を利用することがあります」と指摘する。「今回の記事にあるように、内定者(学生)が『オヤカク』するのは自由ですし、人それぞれだと思いましたが、採用担当者が『オヤカク』するのは倫理的にいかがなものかと個人的に思っています」と記した。

親と子どもの小さな信頼関係の積み重ねの先にあるもの

 「オヤカク」ってなんでするんだろう。親の気持ちをまじめに考えてみた、というタイトルでnoteに記事を寄せてくれたサトウカエデさんは、5歳の娘がいる。

「娘が就職するのは、15年近く先だ。産業構造は変わっているだろう。私がハタチの頃、Airbnb(2008年設立)もUber(09年設立)もなかった。娘の就職先が将来有望な最先端のスタートアップ企業でも、親の私は知らない可能性が十分にある。娘に『その会社、大丈夫なの?』って聞いてしまいそうな気がする」と心情を吐露する。

娘の意思決定をゆがめないために必要なこととは。サトウカエデさんは、「私と娘の間に、信頼を積み重ねていかないといけない気がする」と考える。例えば、5歳であれば、朝ご飯でパンとごはんどっちを食べる?今日はどこの公園に行く?という具合に。「親の保護下にある年齢からでも、主張した先に自らの望みがかなう。そんな経験を、娘に積み重ねていってほしい」と願う。

「社会人になってはじめて、子どもが巣立つわけではない。くっついたり反発したりしながら、子は外の世界でも大丈夫という自信を育てていく。(親が子どもの)大きな決断を黙って見守れるのは、その後ろにいくつもの小さな決断を見守った経験があるから」という結論に至ったという。

安易なオヤカク批判に疑問。「口出しできる」準備怠らず

 ビジネスプランナーの安西洋之さんは「親は死ぬまで子どもを育てる」というタイトルでnoteに記事を寄せた。安西さんは、オヤカクという言葉は「子どもの自主性のなさ」や「それを助長する親の態度」といった観点から批判されやすいが、そう安易な話ではないと説く。「子どもが30代であろうが、40代であろうが、『親の教育期間は終わった』ということはない」と断言する。

「これは子どもとべったりになるという意味ではありません。常に子どもと一緒に人生を生きてきた人間として、子どもが苦境に陥ったときも絶頂のときも、親が『示唆する』ところは大きいという意味です」とも付言する。

では、具体的に何を示唆するのだろうか。社会の価値や基準は時とともに変化する。「その時代のはやりの価値に自分のアイデンティティーを置いて自らを失うことにストップをかける。それが親が子どもに示せる、あるいは示すべき大きな役割だと感じています」と安西さん。

その上で、「親は『就職は自分の決めたいように決めなよ』といかにも子どもの自主性を尊重するふりをしながら、『今のビジネスの価値観はよく分からないから口出ししない』と逃げるのではなく、いつでも必要なタイミングで大きな視点から『口出しができる』準備を怠らないことが親の心がけになります」と強調している。

リクルートキャリア就職みらい研究所 増本全所長の話



 親が子の就活に親が強い関心を示すようになったと感じたのは、10年ほど前からだ。合同説明会の問い合わせの電話が親から直接かかってくるようになった。最近では、大学などが開く講演会にも、参加する親が増えていると感じる。特に最近は父親の参加も増えているように思う。今のU22世代と、その親世代では、大学進学や就活をめぐる環境が様変わりしている。現在50歳前後の親世代では大学に進学したのは4人に1人だったが、今は半分以上が大学に進学する。就職する業界も、以前に比べメーカーが減ってサービス業の比重が大きい。

 また就活地図も、以前に比べて複雑になっている。大企業が優位でわかりやすかった昔に比べ、ベンチャーが増えた今は選択肢が幅広い。特に戸惑うのは母親かもしれない。いわゆる女性総合職がまだ限られていた時代に就職した世代だから、特に娘の就活は全く未知の世界に見えるだろう。こうした時代の違いをふまえて、私は次の2点を親世代に伝えたい。まず、自分の世代の当たり前は、子世代の当たり前ではないということ。自分にとっての正解を子どもに話しても、かえってマイナスに働く可能性もあることを肝に銘じたうえで、子の就活に向き合ってほしい。

 もうひとつは、子どもの価値観を尊重する伴走者であってほしいということだ。親は子どもにとって、最も長く一緒に時間を過ごしてきた唯一無二の存在。就活に臨む子どもが「自分は何者で何をしたいのか? なぜそう思うのか」という内省で悩んだら、ぜひ言語化のサポートをしてあげてほしいと思う。例えば、「どの先生も通知表にこう書いてくれていた」とか、「中学で人間関係で悩んだけれど、こうやって乗り切っていた」「高校を選ぶときに、こんなことを言っていた」など、親だから知っていることがたくさんある。そうした話をどんどん子どもにフィードバックすれば、子どもが自分を見つめ直すきっかけになるはずだ。
 コンテンツプラットフォームのnoteで引き続き皆さまのご意見を募集しています。こちらの記事のコメント欄に書き込めます

(藤原仁美 桜井陽)

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