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私のリーダー論

挑戦する社員のためには、2000万円くらい捨てていい タニタ 谷田千里社長(下)

2019/8/1

タニタの谷田千里社長

シリーズ累計540万部のベストセラーとなったレシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂』や、「タニタ食堂」など新しい領域を次々と開拓し、「健康計測機器メーカー」から「健康総合企業」へと転換したタニタ(東京・板橋)。変革をリードしてきたのは、2008年に就任した創業家三代目の谷田千里社長(47)だ。モットーは「上に立つものほど働け」「変化を是とせよ」。チャレンジする社員を育てるには、失敗の許容と損失を受け入れる覚悟が必要と語る。

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――経営を引き継いだのは2008年、35歳のときです。リーダーのあり方について考え始めたのはいつごろですか。

「入社から3年後にタニタの米国法人で働いていたころです。当時も今もドイツ系米国人のティム・ハッセルベックさんという方が社長を務めているのですが、彼の働きぶりを見て私の目指すリーダー像が固まりました」

「それまで米国人は皆、ファミリーを大切にするから定時になるとさっさと帰宅すると思い込んでいましたが、彼に言わせると、米国人でも働く人はめちゃくちゃ働く。そして彼自身が超ハードワーカーでした。日本の会社の経営陣には、仕事は部下にやらせて自分は日がな一日座って、ビジネス誌なんかを読んでいるタイプっているじゃないですか。それとは正反対。常にリーダーとして戦略を立て、戦術を練り、それが機能するかどうかを顧客とのやりとりの中でテストし、ダメな部分は即修正する。その見事な仕事ぶりに、これこそがリーダーだと目覚めました」

「自分が部下だとしたら、やっぱり『この人にはかなわない』『この人がこれだけ頑張っているんだから、自分も頑張らなきゃ』と思える上司になりたい。『上の地位にあるものほど働かなくてはならない』と肝に銘じました」

■最悪の船出 チャレンジする風土づくりに奮闘

――社長に就任してすぐにリーマン・ショックが起きました。

「相当な危機感がありました。体脂肪計のヒットで一時シェアは急拡大したものの、その特許も切れて、競合各社に売り場を奪われ始めていましたし、社内には成功体験にあぐらをかき、挑戦を嫌う空気がまん延していました。就任当初は、会社が潰れて私が取引先や社員に土下座して謝っているという悪夢に何度もうなされました」

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