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週3回の「筋肉貯金」 下腹・お尻・太ももを引き締め

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

「筋肉体操」や「#筋肉女子」が注目ワードになり、筋トレはアスリートやボディービルダーのためだけのものではなくなりつつあります。ダイエットはもちろん、病気予防から肌のシミまで、筋肉を蓄えておくことは、いつまでも元気で美しくあるために重要だと数々の研究でも明らかになっています。そこで、運動が苦手な人、きつすぎるのはイヤという人でも、効率よくきれいに筋肉をつけられる「筋肉貯金」の方法を紹介! 凝りや痛みがある人は、筋膜ケアからスタートしましょう。

◇  ◇  ◇

老後に備えて、「筋肉」の貯蓄をしているだろうか。

「筋肉の細胞は、30~40代から減り始めて、50~60歳くらいから加速的に減っていく。鍛えれば何歳からでも大きく強くできるが、若いうちからためておくといい」と話すのは、「筋肉体操」の先生としても知られる近畿大学生物理工学部准教授の谷本道哉さんだ。

まだ早いでしょ、と思った人もいるだろう。しかし、近年の研究で、筋肉を蓄え、使うことで得られるご利益が次々と明らかになっている。日本随一の筋肉博士である石井直方さんによれば、「最近は、筋肉から分泌されるホルモン様物質の研究が世界的に進んでいる。糖や脂肪の代謝・分解を促す、がんなどの病気の死亡リスクを下げるほか、認知症を防ぐ可能性があることもわかってきた」。また、肌のシミとの関連を示す報告もあったばかりだ。

そんな、美と健康を約束する財産ともいえる筋肉だが、あなたの「筋肉貯金」の残高はどのくらいだろう? 以下のチェックで確認しよう。3つ以上当てはまった人は、すでに残高不足になっている可能性が高い。

人生100年時代の美と健康のカギ「筋肉貯金」って何?



加齢とともにやせ衰える筋肉を鍛えて蓄えておくことで、年齢を重ねてもしっかり歩けて、健康な体を維持するという考え方のこと。



筋肉は30~40代から減り始める。特に減りやすい太ももの筋肉は、80歳にもなると、最も太かった25歳ごろの半分近くに減るという報告がある。筋肉が減るスピードを抑えるためにも、筋肉を鍛えることは重要だ。

ずぼらでも筋肉は増える

「負荷が軽いと効かない」は過去の話。筋肉を増やすには、筋トレの頻度やタイミングもポイントになることがわかってきた。運動が苦手でも、効率よく筋肉貯金ができる。最新研究でわかった新常識から、筋肉貯金のコツを紹介する。

【ずぼら筋トレ 新常識01】週3回。途中休んでも筋肉は増やせる

超回復&「mTOR」の活性化で筋肉工場をうまく動かす

筋トレをすると、筋たんぱく質をつくるスイッチが押されることで、筋肉は増えていく。この筋たんぱく質をつくる「工場」の生産ラインにスイッチを入れ、稼働を上げるのが、「m(エム)TOR(トール)」と呼ばれる物質。mTORの活性は、ちょっとした筋肉の使い方で変わることがわかり、mTORが筋たんぱく質の合成を上げるのにちょうどいい筋トレの負荷のかけ方や頻度などが研究されてきた。

「筋トレは毎日よりも週2~3回がいい」というのは、次のトレーニングとの間隔をあけたほうが、筋たんぱく質をつくる作用が上がり、筋肉が増えるから。

「8時間では筋たんぱく質の合成は全く上がらず、72時間が一番上がっていた」(石井さん)。つまり、3日に1回を目安に筋トレをすると効率よく筋肉が増える。このとき、1回のトレーニングで行う回数やセット数を調整して筋肉が「疲労困ぱい」になるまで行うのが条件。そこまで追い込めない場合など「筋肉の回復が早い軽い負荷の筋トレでは、毎日行ってもかまわない」(石井さん)。

また、力を入れた状態でゆっくり動くスロートレーニングではmTORの活性が上がり、素早い動きでは下がる。がむしゃらにではなく、じっくりと優雅に行うのがよさそうだ。

【ずぼら筋トレ 新常識02】太ももとお尻。なまけている大きい筋肉を鍛える

筋肉は新しい刺激で増える。大きい筋肉のほうが伸びしろも大きい

筋肉は年齢とともに減っていくが、女性の場合、下肢の筋肉の減る割合が大きい。なかでも太ももの前側の大腿四頭筋が減りやすく、お尻の筋肉も同様に減りやすい。「筋トレをするならとりあえずスクワット」といわれるゆえんだ。

石井さんによると、「太ももや大きい筋肉のほうが、糖質、脂質などの代謝に及ぼす影響が大きい。ホルモン様物質の分泌量についても、大きい筋肉のほうが多いと考えられる」。

筋トレをするなら大きい筋肉、特に座りすぎでなまけた太ももとお尻から始めよう。もう十分太いから大丈夫と思った人も、脂肪たっぷりで太い場合はご用心!

80歳で脚の筋肉は約3割減る




日本人4003人を対象にした、部位別の筋肉量の加齢による特徴の調査。男女とも下肢は加齢で顕著に減少。20歳と80歳を比較すると、女性は、全身の筋肉が11%減少し、特に下肢の減少率(14.4kg→10.3kg)が約3割と高い。(データ:日老医誌;47,52-57,2010)

【ずぼら筋トレ 新常識03】意識すると効果がアップ

拮抗筋が働いて負担が増す

「使っている筋肉を意識すると筋トレ効果が高まる」というが、これが"気のせい"ではないことを示す報告がある。筋トレマシンでゆっくり脚を伸ばすレッグエクステンションをする際、ももの前側の大腿四頭筋に意識を集中したところ、大腿四頭筋と、拮抗するももの裏側のハムストリングスの、両方の筋肉の活動が上がった。2つの拮抗する筋肉がせめぎ合いながら働くことで、筋トレの負荷が上がるのだ。

【ずぼら筋トレ 新常識04】階段を下りるほうが上るよりも筋肉を増やす

ブレーキをかけるような力の入れ方のほうが筋肉は1.2~1.4倍の力を発揮する

階段は、下りるときのほうが、筋肉が発揮する力は大きい。

筋肉は縮むときも伸びるときも収縮する。「筋肉が縮みながら収縮する運動に比べ、筋肉が伸びながら収縮する運動では、使われている筋細胞は、より大きな力を出している」(石井さん)。階段でいえば、ひざを伸ばしながら体重を支える下りのほうが、筋肉にかかる負荷が高く、筋肉も太くなりやすいという。

「せめて下りは階段を使って。やせたい人は有酸素運動になる上りも使いましょう」(石井さん)。


60代の肥満女性30人を対象にした研究で、階段を6階分上る群と下りる群に分け、週2回、12週間行ったところ、階段を下りる群のほうが上る群よりも脚の筋力がアップし、バランス力も高まっていた。(データ:Med Sci Sports Exerc.; 49,8,1614-1622,2017)

【ずぼら筋トレ 新常識05】筋肉を増やすには筋トレ前に有酸系。逆順なら脂肪が減る

筋トレ前に有酸素運動を行うと、筋肉合成が進む。脂肪を燃やすには、筋トレが先

筋トレの質を高めるには、有酸素運動を組み合わせて行うのがいい。だが、どちらを先にするかで、筋トレの効果が大きく変わってくる。「脂肪を落とすのが目的の場合は、筋トレ→有酸素運動の順番が効果的。筋たんぱく質合成の観点から有酸素運動→筋トレがよい。だが、筋トレの質が落ちてしまっては元も子もない。筋トレに自信がない人は、筋トレ→有酸素運動の順番で行い、筋トレの効果を上げたいときは、筋トレの後、3時間以上あけるのがよいだろう」(石井さん)。

美と健康を約束する筋肉貯金をいま始めるべき理由

美肌、骨粗しょう症予防、冷え改善など、筋肉貯金をすると、特に40代以降の女性にとってありがたい効果がいくつも明らかになっている。

●認知機能を改善する

筋トレ後は、脳の海馬の中のBDNF(脳由来神経栄養因子)が増える。BDNFは、情動のコントロールや摂食行動の抑制、糖代謝を制御するなどの働きが報告されている。脳機能が高まることから、認知症を予防する可能性が示唆されている。

●顔のシミを防ぐ

ポーラ化成工業研究所が40代の女性79人を対象に行った調査で、体重あたりの下半身と体幹の筋肉量が多い人のほうが、シミが少ないことが明らかになった。

そのうち、体重あたりの筋肉量が多い人(平均68%)と少ない人(平均55%)それぞれ11人ずつについて、顔のシミの個数を調べたところ、筋肉量が多い人の平均が86個で、少ない人の平均133個と比べて大幅に少なかった。

その立役者は、筋肉を使うことで分泌される、マイオネクチンというホルモン様物質。昨年、名古屋大学の研究で、心臓の筋肉を保護して、心筋梗塞などを予防するという報告があった物質だ。「筋肉から分泌されるマイオネクチンが、皮膚で美白作用を持つことがわかった」(ポーラ化成工業研究員の錦織 秀さん)。

●冷えを改善する

体の熱産生の主役は、筋肉の中にある。UCP3というたんぱく質は、筋トレで増える速筋線維に多く含まれ、動かなくても熱を生み出す。また、2010年に筋肉中に発見されたサルコリピンは、褐色脂肪細胞がなくても熱をつくり、体の中心部の体温を維持する筋たんぱく質として注目されている。

●体脂肪をつきにくくして生活習慣病を防ぐ

やせた女性で、筋肉が少ないほど高血糖になるリスクが高いという2018年の順天堂大学の報告がある。やせた若い女性と閉経後の女性を比較すると、筋肉量が少ない人、筋細胞内に脂肪が多い人ほど、血糖値が高いことが明らかになったという。

●骨を強くする

筋トレで筋肉に負荷がかかると、骨にもその力が伝わる。骨は、「骨を作る細胞」と「壊す細胞」によって絶えず代謝している。筋トレで骨が引っ張られるなどして衝撃がかかると、骨を作る細胞が活性化する。

シミ、骨やせ、冷えも解決!?「筋肉貯金」は、たるまない、太らないだけじゃない

筋トレの効率を高めて、いまのうちからどんどん蓄えを増やしておきたい「筋肉貯金」。たるみや肥満予防以外にも、"貯筋"すべき理由はたくさんある。

これまで筋トレは、たるみ予防やダイエット、体力向上などが目的だったかもしれない。最近になって、筋肉から分泌されるホルモン様物質が肝臓や脳、そして皮膚といった体の離れた部位へも働きかけて、下支えしていることがわかってきた。「筋肉貯金」で得られる、女性にとってうれしい健康、美容効果の一部だ。女性でも筋肉貯金はしなきゃもったいない!と思えるはず。

筋トレの新常識によって、女性や高齢者でも、低めの負荷で無理なく確実に筋肉貯金は増やせることがわかった。ただし「それにはコツをしっかり押さえることが必要。また、鍛えたいところの筋肉を的確に使えるかどうかがポイントだ」と、石井さんはいう。その主なコツをまとめた。さあ、みんなで筋肉貯金を始めよう。筋肉は、裏切らない!

石井直方さん
東京大学大学院教授。理学博士。専門は運動生理学、トレーニング科学。力学的環境に対する骨格筋のメカニズム、筋力トレーニングの方法論、老化防止などについて研究。『石井直方の筋肉の科学』(ベースボールマガジン社)など著書多数。
谷本道哉さん
近畿大学生物理工学部准教授。1972年、静岡県生まれ。大阪大学工学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は筋生理学、トレーニング科学。近著に『すごい筋肉貯金』(宝島社)。

(取材・文 西山裕子=日経ヘルス編集部、写真 鈴木 宏=モデル、スタジオキャスパ─=静物、スタイリング 椎野糸子、ヘア&メイク 千葉智子=ロッセット、モデル 島村まみ、グラフ 増田真一)

[日経ヘルス 2019年4月号の記事を再構成]

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