Men's Fashion

夏フェスに通勤に…田植え用長靴が「おしゃれ」

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魚河岸・バードウオッチング…街に飛び出す

2019.7.25

業務用長靴がおしゃれだと評判を呼びヒット商品が次々生まれている。とりわけ注目されているのが田植え用、魚河岸用といった特定用途の長靴。すべらない、堅くならないといった実用性とすっきりしたデザインが「かっこいい」と人気で、音楽フェスや通勤用として購入する男女が増えている。価格は有名ブランドのレインブーツに比べて半値以下と手ごろ。コラボ商品を作りたいとのアパレル企業からの要請が引きも切らない。




■田植え用ベースに3年がかりでレインブーツ

北海道在住者にはおなじみ、小樽市の老舗メーカー、第一ゴムの長靴。このほど道内のアパレル企業とコラボしたレインブーツが完成した。多くのファッション誌のページで取り上げられ早くも話題に。同社営業部の吉田篤史さんは「開発までに3年かかった。最近コラボしたいというアパレルからの要請がきており、これが第1号」と話す。

第一ゴムの田植え用長靴。スタイリッシュだと東京の雑貨店が目をつけ人気に火が付いた

カーキ色のフィールドブーツも人気が高い。サイドのベルトがポイント


ベースとなったのが田植え用長靴(9720円)だ。色は黒、はき口に脚にフィットさせるバンドが付く。動きやすく底が軽い。7年ほど前、この田植え用長靴に東京の雑貨店が注目し、道外進出を果たす。デザイン性が評判を呼び初年度は500足を販売。人気ぶりが知れると他の店からも扱いたいとの要望が増えて、これまで累計で6000足を売るヒット商品となった。フィールドブーツ(1万2960円)も人気商品だ。東京の専門店から毎年注文があり「デザインも形もいい」と評判だ。とはいえ「道内客はやはり普通の長靴。雪道で滑らないものをと機能面で買っていきます」。

長靴が「おしゃれ」だとブームになったのは14年前。火付け役は人気スーパーモデルのケイト・モス。屋外の音楽フェスでイギリスの老舗ブランド「ハンター」の長靴とミニワンピースで現れたのだ。その後アウトドアの「エーグル」といった欧米の有名長靴ブランドが日本に次々上陸し、若年世代が長靴を、ロングブーツのように履くようになった。