一度に都市と自然を満喫 シンガポール&ビンタン島
高層ビルが立ち並ぶ国際色豊かな経済都市シンガポール。そこからフェリーに乗って1時間もすれば、青い海と緑濃いジャングルに囲まれたインドネシアのビンタン島に着く。都市の魅力と南国の自然、1回で2度おいしい東南アジアの充実旅をご紹介する。
シンガポールまでは成田・羽田・関西・中部・福岡と国内5空港から直行便が飛んでおり、約7時間で到着する。アジアの都市での乗り継ぎも含めれば、さらに数多くのオプションも。バティック柄のサロンケバヤが制服のフラッグ・キャリアであるシンガポール航空は、前述の5空港すべてから直行便を運航している。
同航空は事前の申し込みが必要ながら多彩な特典がある。「行っトク!シンガポール」はチャンギ空港でのラウンジ利用や、シンガポール市内での様々な割引など17の特典からチョイスできる。「なごみ+」なら東京発のプレミアムエコノミー利用の女性向けにオリジナル・アメニティー・キットを提供。東京・名古屋発のプレミアムエコノミーとエコノミークラスでは、スーパーフードを取り入れたヘルシーな機内食を選択できる。どの特典を使おうかなといろいろ調べながら、シンガポール市内を旅する気分が高まってくる。
シンガポールは東京23区ほどの大きさの多民族国家で、エリアによって様々な顔を持つのが魅力だ。シティホールはコロニアルな雰囲気を残す高層ビルに囲まれ、マリーナ・ベイはシンガポールのアイコンであるマーライオンが鎮座する。ショッピングビルが並ぶオーチャード・ロード、多国籍国家らしいチャイナタウンやアラブストリート、リトルインディア。中国とマレー文化が溶け合うプラナカンの街カトンなどもある。
今回は、英ウィリアム・リード・ビジネスメディアが主催する「The World's 50 Best Restaurants」の授賞式出席という出張も兼ねていたので、開催エリアのマリーナ・ベイにある全527室の「マンダリン・オリエンタル・シンガポール」に宿泊した。外観はマンダリンオリエンタルを象徴する扇の形が印象的。我が家にいるような居心地のよい客室・サービス、水準の高いダイニング、立地のよさも兼ね備える5つ星のラグジュアリーホテルだ。マリーナベイ・ビューの客室からの美しい夜景、インフィニティープールからの眺望は素晴らしい。ダイニング、ラウンジでは、おすすめなどを紹介してくれることにさりげない心遣いを感じる。
特筆すべきは、クラブフロア宿泊客専用のオリエンタルクラブという大人向けラウンジ(利用は12歳以上、ドレスコードはスマートカジュアル)。天井までガラスの大きな窓から眺望が広がり、モダンアジアンなインテリアで洗練された雰囲気に気分が高揚する。シャンパン付き朝食にアフヌーンティー、イブニングにはカクテルタイムも。さすがビジネス都市と思えるのは、テレビ会議設備を完備した会議室を1日2時間まで利用できることだろう。世界をまたにかけるビジネスマンの気分になれる。
世界が交差する街シンガポールで過ごした後、残りの日程はフェリーで1時間のビンタン島に渡って、熱帯雨林と美しい海に囲まれたホテル「バンヤンツリー・ビンタン」でバケーションを過ごした。たった1時間の船旅だが、ここはインドネシアなので、言語も通貨も変わり、全く異なる雰囲気を味わえる。
バンヤンツリー・ビンタンを選んだのは、インフィニティープールを持つプライベートなヴィラタイプがあるのと、スパの評価が高いからだ。周囲にはビーチフロントでリゾートホテルタイプの「アンサナ・ビンタン」や、サービスアパートタイプでカジュアルに滞在できる「カッシーア・ビンタン」もあるので、スタイルによって選べる。「バンヤンツリー・ビンタン」のプールは専用だが、レストランなど他の設備は行き来ができる。
敷地内には、大きなバンヤンツリーが立つ。プールや海辺でゆっくり過ごすのもよい。シュノーケリングや水上バイクなどさまざまなマリンスポーツ、森林探検やトレイルウオークなど森でアクティビティー、ローカルな漁村でのフィッシングなど遊びのプログラムのほか、18ホールの本格的な「ラグーナ・ゴルフ・ビンタン」もある。子どもには、ビーチでの無料の映画上映やキッズクラブもあって楽しく時間を過ごせる。食事のオプションは豊富だ。
「シンガポールで仕事をしてビンタン島で遊ぶ」。そんな気分を味わった1粒で2度おいしい旅である。
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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