パンツや靴下、スプレーにシート 最新ひんやり夏小物
特集 夏を乗り切る大人向けTシャツ(番外編/ひんやりアイテム)
夏を快適に過ごすには、機能を重視したウエア選びがポイントとなる。これまで大人に似合うTシャツや高機能インナーウエアを紹介してきたが、最後に「番外編」として、接触冷感機能を持つアンダーウエアなど、ビジネスシーンにおいても活躍する「ひんやりアイテム」を紹介する。これらを駆使すれば夏本番を快適に乗り切れるはず。
通気性が高く冷感機能も備えた靴下
足袋や靴下で知られるレッグ・インナーウエアメーカーの福助によると「弊社の冷感アイテムの受注数は、前年比約130%と高まっている」(広報グループの倉ヶ市彩乃氏)。人気の理由について、「ウエアだけでなく、布団など、さまざまな分野で冷感アイテムが注目され、一般の方の認知度も高くなってきているからではないか」と分析する。
福助の機能訴求型ブランド、「満足」の2019年春夏の新作は、生地にレーヨン混紡糸を使用。着用時にひんやり感を得られる一足になっている。足もとの暑さやムレを解消するために、独自のハニカム状メッシュ編みを足底に施しているのも特徴。通常の靴下に比べて通気性をアップしながら、破れにくさも兼ね備えているという。
吸水速乾・消臭機能も備えることから「薄くて涼しい靴下を求めている幅広い年代の方に支持されている」(倉ヶ市氏)。革靴を履いて通勤するスーツ着用のビジネスパーソンからの人気が特に高いという。
冷感効果が持続するボクサーパンツ
冷感ウエアの専門ブランドとして、2017年に誕生したフリーズテック。市場ではさまざまな接触冷感アイテムが販売されているが、同社のウエアは一時的に冷やすのではなく、汗や水に反応して持続的に冷感効果を体感できる点が特徴だ。
生地裏面(肌にあたる側)に特殊な冷感プリントを施してあり、汗などの水分を吸収すると、その吸熱特性により繊維の温度が下がり、冷感を得られるという。そのため汗をかく状況下で冷感効果がアップし、ひんやりした感覚が持続する。生地が汗や水でぬれた状態で風を受けると、さらに冷感効果が高まるため、同社によると「スポーツや屋外での作業時に最適」だそうだ。
今回紹介しているボクサーパンツは2019年の新作。オートバイユーザーを始め、フィッシングやサッカー、ゴルフなどスポーツ&アウトドアを楽しむ人から支持されているという。
ブランド全体の販売実績も好調。「2018年は前年比売上高600%だった。2019年は前年比約200%を見込んでいる」(フリーズテックのPRを担当するL-ANDの青島舞友氏)。今年に入ってからは建築系の屋外作業を行う企業などが会社として取り入れる例もあるという。
膝裏の汗のベタつきを解消するタイツ
洋服の青山が展開するCOOL CONTACT(クールコンタクト)は、放熱塗料をプリントしたインナーウェアのシリーズ。体から発生する熱を吸収し、遠赤外線に変換して大気中に放出するため、冷感が得られるという。さらに吸汗速乾・UVカット・防臭機能を備え、衣服内の快適さを保つ。生地はストレッチ性があり着心地もいい。
今回紹介するのは同シリーズのハーフタイツ。「夏にロング丈?」と思うかもしれないが、腰から膝裏まで汗のベタつきを軽減できるため、汗をかいてもズボンが肌に張り付くことがない。冷感効果を持つ機能素材なので快適に過ごせる。
2019年4月の発売から売り上げは順調に推移しており、「外回りをされる方や屋外でお仕事をされる方はもちろん、長時間座り仕事をされる方にも支持されている」(青山商事 洋服の青山のメンズプレス石倉大祐氏)。
衣類に冷感機能をプラスするスプレー
衣類に吹きかけるだけで、ひんやり感を得られる冷感スプレーを使えば、ビジネスシャツなど通常の素材のウエアに接触冷感機能をプラスすることができる。コアブルーの「アイスアロマミスト」は、汗が蒸発する際に熱を奪っていく気化熱の仕組みを利用した冷感スプレー。アロマミストにはエタノールとメントール成分が含まれており、衣服にスプレーするとエタノールが付着する。エタノールは揮発性が高く、汗よりも早く蒸発するため体感温度が少し下がるという。
それだけではすぐに衣類の温度は上昇してしまうため、皮膚に接触するとひんやり感が得られ、しばらく冷感効果が持続するメントール成分を配合。汗に反応してひんやり感を発揮するため、襟もとや背中、脇部分など汗をかきやすいところにスプレーすると効果的だそうだ。
茶エキス、柿渋エキスを配合しており、消臭・抗菌効果もあるので、気になる汗の臭いもしっかりカバー。ミント、シトラス、フローラルと香りの異なる3種類をラインアップしている。
「冷感アイテムは、熱中症対策として年々需要が高まっている」(コアブルーの小倉仁氏)。2018年に発売したアイスアロマミストも、昨年は梅雨明け後から販売数を大きく伸ばしたという。
清涼感が得られる大判の汗拭きシート
営業職のビジネスパーソンをはじめ、いまや多くの人が夏になると使用する汗拭きシート。今回紹介する商品は、シートサイズが30×32cmと大判で、1枚で全身をすっきりと拭きあげることができる。
気化熱とメントールの作用で、まるで冷たいおしぼりで拭いたかのような爽快感を得られる。2014年に発売された製品だが、2019年バージョンは液量が10%アップ。商品名の通り、まるでシャワーを浴びたような拭き心地が感じられるという。シートの厚みも従来品から25%アップし、より肌あたりのよい柔らかなシートになっている。
茶エキスと柿タンニンを配合し、汗そのものや汗のベタつきから、汗のニオイまですっきりと拭き取ることができる。グレープフルーツの香りがほんのりついており、ビジネスはもちろんのこと、スポーツやアウトドアシーンにも大活躍するだろう。
発売元のときわ商会は衣類用スプレーをはじめとする「ひんやりシャツシャワー」シリーズを展開しており、シリーズ累計の販売数は300万個を超える。「ひんやりふくだけシャワー」もその中の一つ。企画室ブランドマネージャーの入川美保氏によると「シートは毎年増産し続けているが、ここ数年は夏の途中で完売する人気商品」だという。
Tシャツも機能で選ぶ アウトドアメーカー人気モデル
ヘビーオンスTシャツ 年齢選ばず、1枚でも外出OK
吸汗速乾 シャツの下に着るインナーも高機能に
【番外編】パンツや靴下、スプレーにシート 最新ひんやり夏小物
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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