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老後2000万円、自助努力は先進国共通 未来に仕送り 「老後に2000万円」をマネーハック(4)

2019/7/22

こうした他国の取り組みをみると、公的な年金制度と自助努力の組み合わせで老後をデザインするアプローチはグローバルスタンダードといえるでしょう。「老後に2000万円」問題をもって、公的年金は役割を果たしていないと批判するのは正しくありません。

■自分の老後に自分で仕送りするという発想

「自助努力による老後資産形成」というと言葉が堅苦しく感じられるかもしれません。もっと親しみやすく言い換えると、「自分の老後に自分で仕送りする」行為だともいえます。

かつては「両親に対して仕送りする家庭内の世代間扶養」が行われていました。4人きょうだい、5人きょうだいという多子時代には負担は分担されていましたし、老後も短かったので10年程度支えればなんとかなるものでした。

今は公的な社会保障制度の充実により、家庭内の世代間扶養の負担は大きく軽減されました。もし公的な肩代わりがなかったら、長寿化に伴い長期に扶養する必要があったでしょう。また、少子化が進んだことで子1人で両親を支えることも多くなり、負担は過重なものとなっていたに違いありません。それに未婚者や子がいない夫婦は家庭内の世代間扶養を受けられません。

公的年金制度が基礎的な生活の支出をまかなうことにより、私たちは「親への仕送り」の負担が軽減され、「自分の老後に自分で仕送りする」スタートラインに立つことができたというわけです。

基礎的な生活費は公的年金でなんとかまかないうることは、「『老後2000万円』は余裕の原資 年金の誤解を解く」で説明しました。つみたてNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の指向するところは、老後の余裕や豊かさ、ゆとりを生み出すために、「自分の老後に自分で仕送りする」アプローチなのです。

■未来の自分の豊かさのために行動しよう

ところが難しい課題が1つあります。自分の老後に仕送りするためには、目の前の自分の生活をガマンし、何かしらコストを削らなければならないということです。

それは簡単なことではありません。私たちは完璧に合理的な行動を取ることができず、しばしば非合理的な行動を取るとされています。これは行動ファイナンスの研究で示されていることで、「目の前の生活のガマン」と「遠い将来の豊かさ」を正しくてんびんにかけることはできないというのです。

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