老後2000万円、自助努力は先進国共通 未来に仕送り「老後に2000万円」をマネーハック(4)

写真はイメージ=123RF
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今月のマネーハックは「老後に2000万円」をテーマとしています。これまで「老後に2000万円」問題に対する誤解を解いたり、老後を迎えるにあたっての具体的な準備方法を考えたりしてきました。

これは日本だけの問題ではなく、世界的に課題と捉えられています。実は、日本人も「自分の老後に自分で仕送りする」発想が求められているのです。

他の先進国も老後資産形成には税制優遇

あなたがもし「老後に2000万円」は日本だけの問題で政治が悪いと思っているのなら、それはほとんど誤解です。

世界の国々で高齢化が進み、公的年金を充実させる限界に直面しています。むしろ先進国のほとんどが取り組んでいるのは「自助努力による老後資産形成を推進させるため、税制優遇を行う」という政策です。

「老後に2000万円」で話題となった金融庁の報告書で指摘されているとおり、米国の高齢者は20年をかけて「資産を持つ高齢者」に変わりました。有効に機能したのは確定拠出年金(401k)や個人退職勘定(IRA)という税制優遇がある制度です。約20年間で、米国のリタイア世代(75歳以上の高齢世帯)の保有資産額はほぼ3倍に伸長したと書かれています。

英国には個人貯蓄口座(ISA)と国家雇用貯蓄信託(NEST)という制度があります。また、ドイツには同様の取り組みとしてリースター年金という制度があります。それぞれ目的や対象が日本のものとは異なっていますが、国民の老後資産形成については、税制優遇を付けることで取り組みを推進させました。

いずれにも共通するのは、公的年金を充実させ続けるのは困難であると現実に認め、その問題に向き合いながら、国民の老後資産形成を進める政策が行われていることです。そこでは税制優遇を設けている観点から推奨する方法が示され、パターナリズム(父権主義などと訳されるが、ここでのニュアンスはよい方向に向かうよう背中を押してあげるイメージ)がうまく活用されています。

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