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「70歳まで働く時代」の現実 シニアの労災深刻に

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NIKKEI STYLE

「老後は年金だけでは生活できませんよ、70歳まで働きましょう」。政府の周辺で、そんな話が漏れ聞こえてくるようになりました。現実はどうなのでしょう。

政府は6月、2019年度の「経済財政運営の基本方針」を閣議決定しました。そこでは「70歳まで働ける機会をつくる」とうたっています。国の懐事情が苦しい中、国民は長く働くことで貯金を増やしたり、年金をもらう期間をより短くしたりしてほしいというのが本音のようです。

「実際には、すでに4割近くの人が70歳になっても働いている」と指摘するのは、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎主席研究員です。18年の70歳の就業率は36%。平均退職年齢もここ数年上がり続け、18年には69.9歳になりました。「健康寿命が延び、まだ上昇の余地がある」と話します。

どんなふうに働いているのでしょう。一橋大学の小塩隆士教授に聞くと「アベノミクスで増えたのは非正規雇用のシニアです」との答えでした。12~18年の間に増えた非正規労働者は304万人、うち60歳以上が190万人と半数以上を占めました。特に60代後半の人が増えているそうです。

景気回復や人手不足などにより仕事が増えたことが背景にあります。こうした中、思わぬ事態も起きています。仕事中、けがをする高齢者が増えているのです。

厚生労働省の統計によると、労働災害による死傷者のうち、60歳以上は18年に約3万3千人になりました。すべての年齢のうち26%を占めます。10年前に比べ、約1万人増えました。「働く高齢者が増えて事故も増えている」(厚生労働省)そうです。

特に最近増えているのが「転倒」です。18年の死傷災害の4分の1を転倒が占めました。関東地方の労働基準監督署に聞いてみると「昔は機械に挟まれるといった事故が多かったが、今はちょっとした転倒で、労災につながるようなけがをしてしまう」ということでした。

安全な職場環境の確保に取り組んでいる企業もあります。トヨタ自動車は、工場のライン業務で高齢者が増えていくことを見越し、若いときからの体力づくりに取り組んでいます。柔軟性の測定や、トレーナーによる運動指導などを通じ「いきいきと働ける」ようにしているそうです。

これから年金が減っていくなかで、多くの人にとって長く働くことは避けられません。社会保障制度の改革も必要ですが、健康で安全に働くことにも気をつける必要がありそうです。

小塩隆士・一橋大学教授「現在の35歳は、将来年金2割減」

老後の年金はどうなっていくのでしょう。年金制度や高齢者の就労に詳しい一橋大学の小塩隆士教授に聞きました。

――「老後資金が2000万円不足する」という金融庁の報告が話題となりました。

「豊かな人も貧しい人も、いろいろいる中で、平均2000万円という数字に意味があるかというとないと思います。ただ、少なくとも平均がこういう数字というのは事実なので、政府のスタンスに合わないから受け取らないという態度はおかしいかな、とも感じます」

――年金はこれからどうなっていくのでしょうか。

「受け取る額は減っていきます。1984年度生まれの人(2019年度時点で35歳)が、年金をもらい始めるころ、その時点の現役の人の所得の50%ほどの金額を受け取ります。54年度生まれの人(2019年度時点で65歳)は、60%ほど受け取っていますので、比べれば2割減になります。さらに、受け取り始めた後も減っていく設計になっています。これは主にサラリーマンが入る厚生年金での計算です」

――自営業や非正規の人が入る国民年金はもっと額が少ないですね。

「そうです。国民年金の人の場合は、老後の不足は2000万円どころではないでしょう。国民年金は自営業者を想定してつくられました。毎月の保険料も少ないのだからその分、蓄えているはずだ、定年もないのだから長く働けるじゃないかという意見もあります。しかし、それは余りに冷たいと思います。実際には、自営業者ではなく、非正規労働者で国民年金に加入している人が増えています。こうした人たちの老後を支える仕組みがありません。民主党政権時代には検討されましたが、自民党の反対などがあり実現できませんでした」

――そうなると、やはり70歳まで働く必要が出てくるのですね。

「年金が減っていくという議論と、長く働くという議論をきちんとリンクして政府は説明してほしいと思います。年金は100年安心ですという一方で、70歳まで働きましょうというのは意味がわかりません。少子高齢化の中でどうしても年金は減っていきます、老後も働いてくださいと説明すれば、しぶしぶでも納得がいくのではないでしょうか」

――足元では働く高齢者が増えています。

「高齢者はまだまだ働けます。健康状態を加味して私が分析したところ、今の60代後半の人たちでも就業率をあげる余地がありました。正社員でなくても、非正規での働き方を中心にしようという考え方もあります。培った技能を生かし、フリーランスで働くといったかたちです。働き手にとっては、自由度が高いなどの利点があります。こうした働き方を前提とした社会保障の設計も必要になってくるでしょう」

(福山絵里子)

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